跳満女王復活! 茅森早香、出血大サービスの「一日二跳」【Mリーグ2022-23観戦記2/20】担当記者:徳岡明信

チームの不調を会心のトップで払拭できるか!?

目覚めの跳満女王

「松本くん、君だけ気持ちのいいアガリをさせる訳にはいかないのよ」

松本を止めにかかったのは茅森。

「一日一跳」
気づけば彼女のキャッチフレーズとなっていた。
ここ最近では「一日一跳」も日の目を見ずに鳴りを潜めていた。
その鬱憤を晴らすが如くの東3局

この牌姿からノータイムで【6ピン】切り。
ドラの【發】を生かしたトイツ形の手を強く見ている。
【2ピン】【3ピン】が重なればリャンペーコーも見えてくるが…

「そうはさせねぇぜ!?」

萩原にしては珍しい自風の【南】を1鳴きしてカン【2マン】のテンパイを取っていく。
打点も待ちも不満が残るが、茅森は大物手に向かっている。

危険察知の嗅覚とでもいうのか、非常にピントが合っている仕掛けだった。

「お待たせ」

見事に構想通りのリャンペーコーをテンパイ。
ノータイムでお淑やかにリーチ宣言をする茅森に心躍ったのは私だけではないだろう。

ラス牌一発ツモ。
このタイミングだけに芽生える跳満を見事に手繰り寄せた。

おはよう、跳満の女王。しばしの深い眠りから覚めた女王はモーニングルーテインの如く、いとも簡単に「一日一跳」をやってのけた。

「今日は機嫌がいいわ」

そう言って南1局には二跳目が飛び出す。
しっかり裏ドラの跳満になる方をツモる所がまた彼女らしい。

このアガリの裏にはこんなアナザーストーリーが

親番中の亜樹。【發】が暗刻でリャンメン2つの1イーシャンテン。
イーペーコーの芽もあり、満貫クラスがくっきりと見えるこの手だが、
4枚目の【1ピン】【4ピン】をチーしたのだ。

亜樹の打ち筋からすれば、ここはどっしりと構えるイメージではあったが
チームポイント的には余裕があり、ここは大きな加点よりも親番の維持へと比重を切り替えたのだ。

このチーで茅森に絶好の【8ソウ】が喰い流れた。
【8ソウ】は亜樹がメンゼンでテンパイする牌でもあった。
結果だけ見ると非常に痛い。

まさに「知らぬが仏」とはこの事か…。

萩原にもドラの【北】が重なり、ホンイツを諦めてまで照準を合わせていたペン【7ピン】のテンパイが入るも、茅森の前に泡と消えた。

「さて、そろそろ本気出して6位のサクラナイツを捕えにいくわよ」

ポイントの余裕から生まれる亜樹の積極的な戦い方

試合を振り返ってみると亜樹の積極策が目立っていた。
リーチ回数は断トツの6回。
どちらかと言えば守備よりの亜樹の雀風にはそぐわないスタッツとなったが
やはりチームポイント状況が大きく作用している様に見える。

南2局、カン【4ピン】タンヤオイーペーコーのテンパイ。
今までの亜樹だと、このような役あり愚形のテンパイはダマテンのイメージが強かった。
点棒状況的にも4着目の萩原はすぐ傍に迫っている。局消化とラス回避に比重を置くダマテンの選択かと思えたがここは打点上昇を一番に見たリーチの選択であった。

ちなみに余談だが、

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