【 #神域リーグ2023 第9節第26試合観戦記】堅実な大怪盗 ルイス・キャミ―が選んだ 大胆で最良な選択【文 #後藤哲冶 】

南1局も役牌を鳴いて3900をアガって、続く南2局

ダブ【南】が鳴けて【4ソウ】【7ソウ】待ちの3900テンパイをしていたが、ここで咲乃からリーチが入ってしまう。
一発目に持ってきた【4ピン】【1ピン】【4ピン】【4ピン】【7ピン】も通っていない所謂ダブル無スジの牌だ。

それでも、ルイスは押した。
こういった局面ではオリる選択もよく見られたルイスだったが、ここは勝算があり、打ってもラスになることはあまり無いと判断してプッシュ。

【4ピン】押して良かったぁ……!」

これが功を奏した。すぐに【4ソウ】をツモって1000、2000のアガリ。
これでリーチ棒込みで一旦咲乃をかわしてトップへ。

南3局

ここまで良い所がなかなか無い因幡。なんとかしてアガリをとるべく、カン【6ピン】をチーして今通ったばかりの【4マン】を切っていくが。

これが今テンパイした咲乃に通らない。
8000点の放銃で因幡の点数が0点近くにまで減ってしまった。

迎えた南4局

「役役ホンイツか……役ホンイツイッツーか……」

ルイスは咲乃とは7900点差。
白をポンして打発はとても良い。役牌の南が重なるか、ツモ【1ソウ】【6ソウ】一気通貫がついての8000点が見える。
その辺りを把握しているのが、ルイスの雀力の高さを物語っている。

仮にそうならなかったとしても、2着で終えるのも致し方なしといったところだ。

咲乃からリーチが入る。
ルイスは条件にはならない【3ソウ】引きでのテンパイだったが、トップ目の咲乃からリーチ棒が出たことで状況が変わった。
これで咲乃からの【1ソウ】【4ソウ】ロンで逆転。

であればと、【4マン】【2ピン】と押していく。
この神域リーグルールはトップが偉いことをルイスはわかっている。
なんとかゼウスにトップという宝を持ち帰るために。
咲乃の持つトップを奪えるか――

勝負は、咲乃が制した。
あまりにも大きすぎる6000オール。これで咲乃の個人3連勝はほぼ確実なものに。

南4局1本場へ。

ついにハコ下にまで沈んでしまったのはヘラクレスの因幡。
【4マン】を引いて、テンパイ。しかしこれではチャンタが崩れてしまう。リーチを打って、仮に【1マン】の方でアガると、1300しか打点が無い。

故に、ツモ切り。因幡は最後まで、着順アップを見た。
もうトップは厳しく、チーム状況を考えれば、ここでリーチを打ったとしても誰も文句は言わないだろう。
それでも、因幡は上を目指す選択をした。その選択を、忘れないで欲しい。

それがたとえ、今日は実らなくても。
その姿勢が、ヘラクレスを優勝に導くかもしれないのだから。

南4局2本場

咲乃の大暴れが続いている。
先ほどのダマ12000で得点は7万点を超え、今度は3巡目リーチと来た。
同卓していたら思わずため息が出てしまうような、そんな展開。

一度は暗刻の【西】を打って、オリを選んだルイス。
しかし次巡、カン【7ピン】を引いて――その手が止まる。
【西】に合っていたカーソルを、戻した。

【1ソウ】を勝負。
このまま眺めているだけでは、いたずらに点棒が減っていくだけ。
もちろん、放銃は怖い。ここで咲乃に12000クラスを放銃すれば、3着、果ては4着まで見えてしまう。
もし、「堅実」と言われるだけであれば、ここはオリるのが正解だろう。

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