「帆を下ろせ! 前進だ!」
を横に向けたのが合図。
優の船は波を切って走り出した。
スピードに乗った海賊船は、宝のありかへ一直線に進む。
「ツモ!」
イケメン海賊の手の中に踊ったのは、ルビーのように赤く光る宝物だった。
リーチ一発ツモタンヤオドラ赤の6,000+200オールで勝負あり。
第1戦で仲林が負ったマイナスを、ほぼ帳消しにすることに成功した。
それにしても、パイレーツは多彩なチームだ。
船長の小林剛は硬軟自在の仕掛けを活用。ブレない思考で最適解を導き出す。
瑞原明奈は仕掛けが自在ながらも、門前高打点が主体。
仲林圭は攻守バランスに秀でており、局面打開の引き出しが多い。
そして、鈴木優はリスクを目いっぱい背負うことで得られる攻撃力が持ち味。
誰かが傷を追っても、別の誰かがすぐにバウンスバックできるのは、違うタイプの打ち手がいるからこそできること。
違うカラーの4人がぶつからずに共存しているチームというのは、リスクマネジメントの観点から非常に優れていると感じられる。
安定感を増した海賊船は、いかなる「風」をも味方につけて、後半の戦いに突き進んでいく。
と、ここまで書き上げて一つ思い出したことが…。
こちらの海賊船、船長さんが全く「風」を信じていないという噂。
現代はダイバーシティ(多様性)の時代。
そういう考え方もあるのね、ということで。
読者の皆さんも、船長さんにはナイショでお願いします。
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