【 #神域リーグ2024 第22試合観戦記】#歌衣メイカ が噛み締めた勝利の味 これは“識った”漢の、浪漫譚【文 #後藤哲冶 】

歌衣が更に加点。3200で、トップ目多井に迫る。

しかし今日の長尾は点棒を失ってもすぐに取り返す。
迎えた親番南2局。僅か4巡でこのテンパイに辿り着くと。

なんとこれを一発ツモで仕上げる。
4000オールで一気に歌衣の後ろにぴたりとつけた。

更に長尾が畳みかける。
今度は赤とドラを使った高打点のリーチ。
これをツモって4000オールの加点になれば、大きくトップを近づけるアガリになる。

しかしこれに待ったをかけたのは、現状トップ目を走る、多井だった。
既に3副露していて【3ピン】【6ピン】待ちのテンパイを入れていた多井は、この長尾のリーチに対して真っ向勝負。
ここまでは序盤で築いたリードを安定感のある打ち回しでキープしていたが、それだけでは勝てないことを、多井は良く知っている。

ここを多井が制した。
これで長尾の高打点リーチを阻止。
しかしトップ目多井を襲う追撃は、これでは終わらない。

南3局
先制テンパイは歌衣。ドラ表示牌の【7ピン】を引き入れてのリーチは、リーチドラ1のカン【3マン】待ち。

これを値千金のツモ。
ツモったことにより、符で若干点数が上がっての2600オールはあまりにも大きい。
これで歌衣がトップ目に立った。

続く1本場にも、歌衣に良い手が入った。
ドラ赤があるこの手、【3マン】にくっつけてのタンヤオまで見ていた歌衣だったが、この【7マン】ツモで話が変わる。

これならば、メンゼンリーチで勝負。
【3マン】を手放して、今の手材料で戦うことを決めた。

なかなかテンパイとなる牌が引けないまま11巡目。
【4ソウ】を引いてきて歌衣は【9ピン】切りを選択。【8ピン】が既に3枚切られてしまっており、【4ソウ】を残せば【1ソウ】【4ソウ】【1ピン】でもテンパイになる。

役満四暗刻のイーシャンテンだったルイスに、テンパイが入る。が、この赤【赤5ピン】引きは、四暗刻は崩れるテンパイ。

チーム状況が苦しいグラディウスとしては、是非とも四暗刻を決めたいところだったが、赤引きでのテンパイなら妥協点。
これでもツモれば跳満のリーチだ。

同巡、歌衣が追い付く。
歌衣は前巡残した【4ソウ】が当たることを危惧していたが、残り1枚の【1ソウ】の受け入れは赤【赤5ソウ】が出ていくため歓迎できないにしろ、【1ピン】の受け入れは無視できない。
【4ソウ】を残した判断は、決して誤りではないだろう。

この【4ソウ】が通って、2件リーチ。
歌衣が制することができれば、大きく大きくトップに近づくこのリーチ対決の行方は――

「持って帰るぞデカトップ!」

歌衣が制した!
7700のアガリで、2着目多井を突き放す。

宣言通り、デカトップに向けて1500を2本場でもアガった歌衣が、3本場でもタンヤオの仕掛けへ。
まだ安全圏とは言えない現状、2着目多井の仕掛けも不気味なため、とれるアガリは拾いたい。

カン【7ソウ】をチーしてテンパイ。
【2ピン】【5ピン】待ち。アガって親番を続けられるか。

だがそう簡単に歌衣のアガリを許してくれるはずもない。
まずは上家、長尾が歌衣のアガリ牌である【2ピン】を暗槓してからのリーチ。
そしてその同巡、負けられないルイスからも追っかけリーチ。
トップ目ということもあって、放銃は絶対に避けたい場面。

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