ぶつかり合い、探り合い、
騙し合う……
全13局で綴られた
「卓上の地面師たち」
文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2024年10月10日
第1試合
東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
”こいつら全員、立直狂ってる”
本日一戦目、総局数13局にして飛び交ったリーチ棒はなんと16本。
とんでもないぶつかり合いとなった半荘だったわけだが、その裏ではそれぞれの選手の思惑が垣間見えた。早速振り返っていこう。
堀「もっと大きな手を狙いませんか?」「点棒がゴロゴロ出るような手です」
【東1局1本場】、前巡親の高宮と園田のリーチが不発に終わった局面。場には供託が二本落ちているという状況。
堀の手がこちら。注目ポイントは上家高宮の河に今切られたばかりのだ。堀はこれをスルーしている。
この手をもらって供託2本と考えたとき、多くの人は上家のを鳴くのではないだろうか?
ポンして打でくっつきのイーシャンテン、さらにはドラ引きでもカンの聴牌に取れる。
これを鳴かない堀の主張は「この手はまだ門前で勝負手に出来る手牌だ」ということだろう。
東1局のこの手から最終的に着順に影響するかわからない供託を狙いに行くよりも、にくっつけて、ソウズやマンズが横に伸びたりダイレクトの愚形解決でリーチを目指す。そう考えていなければなかなかこのに声を掛けないという選択は取れない。
実際はツモがきかず、12巡目までもたついたが跳満級のイーシャンテンに辿り着いた。
これが決まればといったところだったが。
ここは親の高宮のリーチに颯爽とやってきた供託ハンターが全てを搔っ攫っていく。
堀の選択は実らずだったが、同卓している供託ハンターへの挑戦状とも取れる水面下のバトルが見られた局であった。
園田「もうええでしょ」
【東2局】、園田はわずか4巡でとんでもないイーシャンテンを入れる。ドラドラでソウズが7枚連続系、三色と一気通貫の両天秤という黄金のイーシャンテン。
次巡、三色も一気通貫も崩れるが、河を見るとめちゃくちゃ和了れそうな待ちで聴牌。当然の即リーチから追っかけてきた白鳥からの出和了り。8000の加点に成功すると……
【東3局】、この手牌から……
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わずか2巡にして2手進み、2飜高くしてのこのマンガン聴牌! 気持ちよく一人旅となるかと思われたが……
同巡高宮が絶好のカンを入れての追っかけ!
とはいえ、園田目線ではホンイツをやっている堀がいる分はよく見えている。ここを和了り切れば自身のトップもかなり近づく。捲り合い上等と思っていたところ……
終盤も終盤、明らかに回ったであろう親の白鳥から立直が入る!
緊迫の瞬間。園田のは通過!
そして高宮のツモは……
まさしく園田の当たり牌、。
「はい出ました!!」
「なんでだよ!?」