ぶつかり合い、探り合い、騙し合う……全13局で綴られた「卓上の地面師たち」【Mリーグ2024-25観戦記 10/10 第1試合】担当記者 渡邉浩史郎

そう、白鳥の待ちは【4ソウ】【8ソウ】のシャンポン。アタマハネだ!

しっくりとこない園田。その不完全燃焼はまだまだ続く。

【東4局】親番。かなりの好形高打点の手牌だが、剣呑なのは対面の堀。

赤含み、ドラ含みでそれぞれチーを入れている。
それを受けて園田は……

【2ソウ】切りを選択。
タンヤオに寄せて瞬間の【3ソウ】引きや【4ソウ】引きなら文句なし、そうでなくてもドラを切っていく構えにした。
まだまだ堀からは濃い牌が余っていない上、仕掛けの形上【2ソウ】【3ソウ】をポンされて堀の手を進めてしまうこともかなり少ない。

都合五枚目の【4ソウ】【7ソウ】でチーテン。打【6ピン】

堀は実際はこの仕掛け。【8ピン】は園田に当たり得るところのため、【東】を切る。

再び園田が考える。

【2ピン】は全然通る保証がない上、高宮の【東】ポン【3マン】プッシュも強烈だ。
【2ソウ】【3ソウ】落としの園田に押す以上、確実に手が入っている。とはいえ他に切れる牌がないため……

【2ピン】プッシュ。他家から見てもこれは強烈だ。

この押しで、堀はノーテンからは押せないと回り気味の【5ソウ】。これを……

四暗刻イーシャンテンだった白鳥がポンして聴牌。

Mリーグでは珍しい全員副露で牽制し合い、騙し合いの局。勝ったのは……

白鳥だ! ここでも園田は和了りに結びつかず。

続く【南1局】、お出かけ気味のこの仕掛けは……

自風の【北】スルーから深い巡目まで持っていき、この【2マン】【5マン】の聴牌までこぎつける。しかしこれも……

聴牌していた高宮に止められてしまう。ワンチャンスだが生牌、園田の最終手出し【1マン】が光ってしまったか。園田的にはとにかく【6ソウ】を先打ちしたかっただけなのだが……

その結果が……

直前の【2ソウ】をスルーして【4マン】対子落としした人間が、【2マン】【2ソウ】の聴牌を入れているという状況。流石の白鳥もこの【2ソウ】は止められなかった!

またしても園田の和了りは不発。それどころか次局には

堀のポンテンマンガンに直撃を食らってしまう。

園田のこの半荘をまとめるなら……

「もうええでしょ。」

白鳥「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」

【南2局】、白鳥に難しい手が入る。

一気通貫が色濃く見えていたところにこの【5ソウ】ツモ。ピンズの縦重なり時の打点と待ちの強さを見てツモ切りまで選択肢にあるが……

白鳥は【9ソウ】切り。これは手役よりも、今ある赤を軸に中打点以上のリーチを安定して打てる形だ。

ただこの形にした時、唯一困るのが……

このツモだ。
例えば【1ソウ】切りで、聴牌を取らずにさらに大きく打つという構え方もある。
【7ピン】切りダマや【7ピン】切り立直だって考えられる。
だがそうしないなら、もう一つの選択は……

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