最後は裏ドラ勝負！ 麻雀の魅力を1mmも疑わず信じる最強戦の魅力とは　麻雀最強戦2024【ファイナル2nd】観戦記【決勝卓】文 沖中祐也

迎えた東２局の親番。
中盤過ぎにこの打点も形も悪い手牌からドラのを切った↓

この程度の点棒ではフラットと同じ。
はっきりと攻める意思が伝わってくる。

その姿勢が奇跡のようなアガリを生む。

ラス牌ペンチャン一発ツモの2000オールを決めたのだ。

（このシステムになってから）初の女性最強位誕生のざわめきを感じたのか、続く１本場では寿人が1000点でさっと流した。

５年ぶりのファイナルとなる魔王・佐々木寿人。
連盟の歴史を変えたと言われる大エースである。

その寿人がどうだったかなーと振り返ったのが次の一局である。
牌図を見てもらいたい。

マンガンの単騎選択だが、上家の近藤からリーチが入っている。
寿人はを切った。続いてドラのを持ってくるがこれもツモ切り。

結果的にでもでもアガリがあっただけに悔しい一局となった。
ただ、致し方ないかなとも感じる。
リーチを受けた後は字牌タンキも決していい待ちとは言えない。
それよりは放銃せずに舞台に残り続けることが大事だ。そういう意味ではよりもやの方が放銃率は低い。

またという形はやをツモったときに待ちを選択できる。
そもそも桑田の捨て牌が変則的で、山に残っている期待枚数もそう変わらないと思われる。

ちなみにばっこんばっこん無筋を切って追っかけた桑田の手牌は…

四暗刻だった。
何を食ったらこの大舞台でこんな手が入るのか。

日吉が耳をつんざくほどの絶叫で立ち上がるも、結果は

近藤がリーチ・裏１の3900をアガって平和に終わった。

しかし桑田の攻めの手は止まらない。
東３局、

リーチ・一発・三色・ドラ２・裏１の12000は12300。
返す刀で

・・ホンイツ・チャンタ・ドラ２の12000の連続ハネマン。
共に放銃に回ったのが小宮。

10分前まではトップ目だったのに、なんということでしょう。
絶望のどん底まで叩き落される。
桑田リードで迎えた南場は、近藤が南１局に1000点でかわすと、南2局に

3軒リーチをかいくぐって8000のアガリをモノにし、桑田の背後にピッタリと付け、いよいよラス前を迎える。

南３局、まずは桑田が

 

２つ鳴いて、トイトイのテンパイを入れる。
寿人もドラを雀頭にした、だだっ広いくっつきのイーシャンテン↓

だが、これが待てど暮せどテンパイしない。
そうこうしているうちに親の近藤にテンパイが入る。

ペン待ちのリーチのみ。
は今寿人（下家）から切られたばかりで、トイトイの桑田が暗刻。つまりカラテンだ。

にくっつけば５６７の三色になるとはいえ、点差はわずかに200点… 親リーチというカードを見せて下ろすという手もある。