もし麻雀に“流れ”というものが存在するとしたら…。
この一連のシーンを見る限り、アガリは高宮に巡ってくるはずだった。だが、それを拒み、時空を歪ませた者が存在していたのである。その人物とは──。
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恐らく本日、数え切れないくらいのチョコレートを手にしたであろう“役満プリンス”こと、本田朋広であった。
いつもは攻めっ気たっぷりの本田が
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自身満貫テンパイながらも、高宮へ放銃となるをピンポイントで止め切ったのである。
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その焦点は、高宮の最終手出しであるの所にあった。
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◉対局後インタビュー
本田
「高宮さんが先にを切ってからの手出し
。そこに自身から
が3枚見えている事を合わせると、
シャンポン待ちは大本命。更に仕掛け出しからのスピード感を考慮すると相方はドラの
が本命かなて感じでした。」
高宮が3副露するほど手牌の進行が遅いにもかかわらず、それでも仕掛けたということは、打点が伴っている証拠。
つまり、ドラドラを持っている可能性が高いという理論に行き着く。
意外な結末の裏には、本田の冷静な読みと的確な判断によるファインプレーが隠されていたのだった。(本田が受け取るチョコレートの数が更に増えたのは言うまでもない。)
東1局2本場─再びラスト1牌に泣く─
ビター度数:♥♥♡♡♡
開局の失点を何とか取り戻したい高宮。
待ちはドラ表示牌のと不満が残るものの、赤・ドラドラが背中を押し、リーチを決断。しかし…
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タンヤオ仕掛け、片アガリ・テンパイの大介に対する最後のロン牌を掴み
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リーチ棒と本場を加え、合計9,600点の痛恨すぎる失点となっていた。
高宮も自身の待ちの悪さを理解しており、「この放銃は仕方がなかった」と、二局連続のラス牌掴みという理不尽な現象をすんなりと受け入れていたが、人として流石に堪える所だろう。
また、この局の興味深いポイントは、大介の待ち選択の理由 にあった。
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ドラのと
のシャンポン待ちから
を引き入れると、何とタンヤオが確定しないペン
待ちへと変化させたのである。
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◉対局後インタビュー
大介
「が2枚飛びだったのですが、その後
の所在が明らかとなり、
のリャンメンが否定された選手からペン
が盲点となりやすいのも変化させた理由の一つです。」
現役プロ棋士の二刀流の顔を持つ大介。数巡先を見越したこの思考は、まさに将棋の世界に身を置く者ならではの発想であった。
東2局─残り3枚が引けず無念の流局─
ビター度数:♥♥♥♥♡
思わず天を仰ぎたくなるような展開だったが、それでも視線を落とさず、しっかりと前を見据え、先制リーチへと辿り着いていた。
リーチ・ピンフ・赤・赤・ドラ・高め三色の倍満級のチャンス手である。それも決して、手なりの進行ではなかった。
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道中のツモにより形が決まった場面でも、手厚く
を残し567三色や
ツモに柔軟に対応できるよう強気に構えると
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イーシャンテンに到達した場面では、単純な受け入れ枚数よりも456の三色と最終形の強さを優先し、打の選択を取っていた。つまり、強い意志が込められた13牌。しかし…
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高めのを2枚含む3枚のアガリ牌──。
それらは王牌という絶対的な門番によって、固く閉ざされてしまったのであった。
東2局1本場─確率とは─
ビター度数:♥♥♥♡♡
前局の流局については、麻雀を打つ者なら誰しも経験する、ときどき訪れる偶然の悪戯である。
それでは、こちらのシーンはどうだろうか。
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元々、国士無双を視野に入れつつ、守備駒を蓄えていた矢先に飛び込んできた5巡目リーチである。
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皆さんも、点数状況を踏まえた上で、何切るべきか一緒に考えて見て欲しい。
・2,400点待ち4着目と、これ以上の着落ちがない
・被りなし10種と国士無双まで、ほぼリャンシャンテン
もちろん、や
を切って受けに回る選択も悪くないだろう。ただし、リーチ者の本田の河を見て頂きたい。通っている数牌は
のみ。つまり仮にリャンメンテンパイの場合、18本筋の内、17本は通ってないので
◉リャンメンで当たるケースは
⇨1/17≒0.058(約5%)