ビターすぎるバレンタイン
──それでも高宮まりは
攻め続ける──
文・小林正和【金曜担当ライター】2025年2月14日

第1試合
東家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
南家:鈴木大介(BEAST X)
西家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

解説:朝倉康心
「高宮さんがこの日登板してきて… 他は、むさ苦しい男3人ですよ(笑)」
実況:日吉辰哉
「高宮ツモれるか! あぁーダメかー!! おかしいでしょっ!どうなってるんですか!!」
実況・解説ルームに響く、高宮まりへの熱い声援。軽いユーモアを交えながらも、その熱量はいつも以上に高まっていた。なぜなら、今夜2月14日はスイートな香りが漂う“バレンタインデー”だったからである。

ステージ上に咲いた一輪のショコラ・ローズ──高宮まり。
応援してくれるサポーターはもちろん、チームメイトや何より自分自身へ“甘いご褒美”としてトップを贈るために。

しかし、試合が終わってみれば、最多リーチを掛けながらもアガリは僅か1回。放銃に至っては最多の3回を数えた。
卓上で彼女を待ち受けていたのは、チョコレートのような甘さではなく、ほろ苦い麻雀の悪戯(いたずら)であったのだった。
東1局─1対3に泣く。その裏には─
ビター度数:♥♥♥♡♡
ドラドラで役牌のがトイツで入るも、ターツ候補が揃っておらず全体の形としては十分とは言えなかったが…

いつも通り積極的に仕掛けながら、前に出るスタイルでテンパイを果たす。

待ちは。
だがしかし、これが見た目以上に残っておらず、山にが1枚だけであった。すると…

手元には、トイトイへの打点upに繋がるが舞い込んでくる。

それと同時に、高宮の手が止まったのであった。

最も気になるポイント。それは…

何と言っても、親番・竹内によるの暗槓だろう。今にもリーチが飛んできそうな気配が漂っている。
それならば、親の現物に照準を合わせて
をツモ切る選択肢も有力であったが…

打とし
と
のシャンポンに待ち変えへ。トイトイ高め跳満テンパイへと手牌価値を高める“らしい”選択である。
すると、この強気の一打が功を奏し、待ち牌は1枚から3枚へと一気に広がったのであった。
ここまで来たら、後は攻め切るのみ。

予想通り、竹内から怖い怖い親リーチを受けようとも

高宮は自身のアガリ牌以外、迷いなくツモ切る。
そして、その姿勢に応えるかのように相手の待ち牌は山に1枚…。このまま押し切れれば十分に勝機はあった。だが、しかし…

無情にも最後の1枚であるを手にしてしまい、いきなり12,000点の放銃スタート。この局、まさかの結末を迎えたのであった。