四暗刻の衝撃も乗り越えた『小さな天才』堀慎吾、オーラスの選択【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 10/31 第2試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 ヤマサンブラック

──2巡後、

堂岐のツモは【2ソウ】

文句なしの四暗刻、8000・16000の役満で、堂岐は一気にラスからトップに浮上した。
鋼鉄の精神と肉体が生みだした、「逆襲のヘラクレス」の名にふさわしい渾身の一撃だ。

次局も堂岐が300・500でアガり、試合はオーラスを迎えた。
この親番さえ凌げば、堂岐はトップで終了となるが……。

南4局

トップ目は親の堂岐。2着目の堀とは満貫直撃か跳満ツモで変わる。
その堀は、満貫以上が見える好配牌!

堂岐は配牌から手仕舞い。それに対し、堀の手は着々と進んでいく。

6巡目に【赤5ソウ】を引いた堀。跳満が現実味を帯びてきた。


しかし、ここから何を切る……?

長考の末、堀が切ったのは【7ソウ】

【5ピン】引きによるダイレクトテンパイを逃したくない選択だ。
タンヤオ三色赤々、堂岐からの直撃かツモで逆転できるイーシャンテンを取った。

堀は8巡目に【2ピン】を引き【4マン】切り。

受け入れが多いイーシャンテンだが、一番嬉しいのはもちろん【5ピン】引きだ。


9巡目、値千金の【5ピン】引きでテンパイ。【3ピン】を切りリーチを打つ。

待ちは【1ピン】【4ピン】【7ピン】ダマテンでも、堂岐からの直撃なら逆転、あるいは【1ピン】【4ピン】のツモなら逆転するが、【7ピン】ツモだと満貫で届かない。
リーチならば、何をツモっても逆転だ。
【1ピン】【4ピン】【7ピン】待ちで、【1ピン】なら三色が、【4ピン】ならタンヤオと三色の両方が、【7ピン】ならタンヤオが付く。


しかし同巡、堀とは満貫で着が入れ替わる三浦もテンパイ、【5ピン】【8ピン】待ちのタンヤオで追いかけリーチを打った。

三浦がリーチ棒を出したことにより、堀は堂岐以外から【1ピン】【4ピン】の出アガリでも逆転条件を満たした。

1巡後、堀は前に出るしかない多井が切った【1ピン】を捉える。

リーチピンフ三色赤々、12000点にリーチ棒の1000点が加わり、堀はわずかに400点堂岐をかわしトップ、試合終了となった。

本試合のゲームスタッツはこちらの通り。

堀は和了回数4回に放銃が0回と、パーフェクトな試合運びだった。
惜しくも2着となった堂岐も四暗刻をアガり、これ以上ない見せ場を作った。

それぞれの技術と意志が卓上でぶつかり合う、Mリーグの醍醐味を感じさせる熱い試合であった。

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