ここは現物の
に手が伸びる。
ロン!
安目ながら、
・ホンイツで3900点のアガリ。
「多井なら止めてた」でお馴染みの守備力を誇る多井を、オリ打ちで討ち取った。
さすがの多井も![]()
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からの
先切りという手順は読みになく、そんな読める多井の読みを敢えて外した、軍師・勝又の謀略に嵌ってしまった。「敵ながら天晴れ」と称えるしかない。
南2局
竹内元太は、多井隆晴とのMリーグ初対戦にわくわくしていた。
もともと、少年のような無邪気さと高身長ながら童顔の持ち主である。
尊敬する多井の前で見せ場が欲しい。ここまでラスと苦しい展開ながら、ようやくここでやってきた。
最後の親番は落ちたものの、好配牌からのこの手牌。
ほとんどノータイムで
のトイツ落としとした。シャンテン戻しの柔らかい進行。
手番ごとに少考が入る打ち手のことを「各駅停車」と揶揄する風潮がある。
確かに相手3人の摸打のあいだに、この牌を引けばこう、と何パターンか想定し、方針を定めておく時間はあるだろう。佐々木寿人のように、機械的なリズムで摸打を繰り返されると、隙が無いように思えて威圧と恐怖を与えられる。だからこそ「寿人の128秒」として語り継がれる、何年に一度の大長考が映えるし、名場面として記憶される。
しかし、相手の捨て牌ごとにその方針が刻々と変化していくのも、麻雀の醍醐味のひとつだ。自分の手恰好だけで選択しているのではない。場の状況に合わせて打牌は決まる。
実に見事で美しいメンタンピンの仕上がり。
まだ序盤だったとはいえ、淀みなく切られた
のトイツに意志が宿っており、牌もそれに応えた。
リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・赤・裏の3000・6000。
途中、勝又からの暗槓もあり、その裏ドラをのせてのハネ満成就。
左右に分断されたドラの置き方がオシャレだ。
トップ目の多井に親かぶりをさせ、その差は満貫ツモ圏内となった。
南3局
余勢を駆って、元太。
辛抱強くドラの
を保持し、ようやく重ねた瞬間、場風の
が出る。
ポン。これでドラの方をツモれば満貫。
ラス前にして、ついに元太が、僅かに多井を捲った。
・ドラ3の2000・4000。
南4局
上下が接戦のオーラス。
倍満ツモでも着アップしない黒沢。
手牌も打点は望みにくく、3着キープが現実的に見える。
しかし、三色と一通の「黄金のイーシャンテン」に構えた勝又から切られた
をスルーした黒沢。さすがに、この点棒状況では鳴いた方が良いように思われた。
親の勝又にテンパイ。
確定三色で、まずは仮テンかと思われたが、ここは子方に好きに打たせるわけにもいかない。
もとより全員が軽い手でアガりたい点棒状況。多くがイーシャンテンに達する9巡目では、もはや時間に猶予はないと判断した。
勝又の
単騎を掴んだ元太。
が3枚見えているワンチャンスの
だが、ここは現物の
で迂回する。
勝又のひとりテンパイで延長戦の連荘へ。
やはり接戦のオーラスは面白い。
南4局1本場
着アップにせよ着キープにせよ、上下が1000点未満の大接戦。
最も好配牌を得た黒沢が、さすがに今度は
を1鳴きし、イーシャンテン。
元太は黒沢のこのムーブにより守備に専念する方針に。
2着の多井は、黒沢にあがられるとトップを逃す。親の勝又にも鳴きが入り、いま出た
をポン。すでに下家の多井に絞り気味の元太にもプレッシャーをかけ、黒沢への放銃も誘う。元太は黒沢のこの仕掛けに打つわけにはいかない。
なんとテンパイ一番乗りは多井。相当、苦しい配牌からの仕掛けだったが、ツモが応えた。最速最強たる者、50000点からの捲られ2着はやっていない。
一方の黒沢は、まだテンパれない。それどころか
か
をポンすれば
が出ていき、多井にフリコミとなりラスのまま終わる。















