古橋崇志の幸せな結末
【決勝卓】担当記者:中野巧 2026年8月30日(日)
『最強夫婦合戦』
麻雀最強戦は日本で一番麻雀が強い人を決める戦い。麻雀プロが招待される試合には様々なテーマが設定され、『最強位vs Mリーガー頂上合戦』などのわかりやすいものから『風合戦』、『麻雀一揆』と一目ではわからないようなものが存在する。
その中でも『最強夫婦合戦』は唯一、昨年の最強戦と同じ趣旨のテーマで行われた大会であり、視聴者や主催者の注目度の高さがうかがえる試合だ。
「夫婦」聞いて、真っ先に思い浮かんだのは、「世界一短いラブレター」として語り継がれる、1957年に南極の昭和基地の隊員宛てに送られた電報「アナタ」だった。この3文字に妻から夫への様々な思いを読み取れるのだ。
今回招待された8名のうち6名は麻雀プロとして活躍している現夫婦が3組、残る1組は元夫婦という異例の組み合わせで行われた。
夫対決のA卓、妻対決のB卓を制したのは
夫対決からは
古橋崇志。
実況、プレイヤー、日本プロ麻雀連盟の事務局と、大忙しなマルチプレイヤー。
今回は彼と川原舞子で「元夫婦」が異例の出場となった。他の選手は控室が夫婦で一部屋だったが、彼は個室を割り当てられていた。
人は失ったものがあるほど、他の何かが強くなるのだろうか。
MリーグではEARTH JETSに所属し、古橋と同じく日本プロ麻雀連盟のA1リーグに籍を置く、誰もが知る強豪プロ。独特な手順で観る者を魅了する麻雀が持ち味だ。
B卓から塚田美紀。
B卓では劇的なアガリで大逆転。
様々な私設リーグに参加するなど精力的に活動し、彼女が店長を務める新宿の麻雀バー「ガーデン」では、時おり夫である元U-NEXT Piratesの石橋伸洋も勤務しているとか。
小宮悠。
第22期女流名人戦などタイトル戦を複数優勝し、第16期夕刊フジ杯麻雀女王に輝くなど、人気と実績を兼ね備えた存在。夫の田内翼と合わせた衣装は彼女がSSサイズ、田内は4Lサイズと対照的なサイズの夫婦である。
■小宮悠「どないなっとんねん」
彼女は言った。「細い人がタイプです」。夫である田内の横で。
「だけど、たのさん(田内)が好きなタイプじゃなかったから、夫婦として居続けていられると思います」と、いい話をしてくれた。
さて、麻雀の話に戻そう。
東2局、小宮は親番でドラのダブ
、
、
がトイツの好配牌が入る。すでにターツが足りていることから、他家にマンズの一色手を悟らせないよう、第1打
。
6巡目までに
をポン、
をチーした小宮。ここでも真ん中の
からでなく、打
。ここでも一色手をボカしていく。夫である田内翼は見た目こそ大柄だが、とても繊細な打ち手であるから、こういった手順は、さすが夫婦といったところか。
小宮としては、子3名がドラの
の絡んだ高打点を警戒し、手を狭め、自分だけの時間がほしい場面。
しかし、現実は真逆で子3名から立て続けにリーチを受けてしまう。1人相手なら戦えるが、3人って・・・。
結果は古橋が塚田から出アガリ。
その後、我慢が続いて迎えた南1局。タンヤオドラ3のテンパイもアガリまで一歩及ばず。
今日1日を振り返って、アガリが1回、1000オールのみと厳しい結果に。
打ち上げの場では、田内にたいして「食べ過ぎちゃう」と田内にしてみれば言われたくない言葉も「長生きしてほしいから」と、そこには同じ厳しさでも夫を思う優しさがあった。
■相手にしたくない、HIRO柴田の選択
東3局。ハイテイでマンガンをツモった柴田。このアガリでトップ目に浮上する。
しかし、次局古橋に1600.3200をアガられ、逆転される。
そしてトップ目の古橋が迎えた親番、柴田は古橋の切ったドラ
をポン、彼の手に役はない。この鳴きについて「ここで親の古橋にアガられてしまうと勝ちが遠のくと感じた。だから彼に打ちにくい牌、特に字牌を抱えさせ、いっそのこと裏目を引いたときに『もういいや』とやめさせるようにしたかった」と意図を教えてくれた。
「ただ結果は小宮・塚田をおろすことになったうえ、古橋からリーチが入ってしまった」としまったという雰囲気で話していた。
結果、古橋のリーチは流局も、アガられると4000オールからの大物手。勝負が決まってしまう可能性もあった。












