「ガラクタ」の枠を超えた真価
佐々木寿人が魅せる進化の証
文・喜多剛士【木曜担当ライター】2026年9月24日
第1試合
東家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:永井孝典(EX風林火山)
北家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
東1局
寿人の配牌は東の暗刻スタート。そこに4枚目の
を引き入れると、迷わず暗カンを選択した。
数牌であればくっつきによる多面待ちへの変化も見込めるが、役牌の場合は事情が異なる。役が確定するので仕掛けもできるうえ、暗カンによる符の上昇で実質的に1翻アップの価値を持つ。さらに手牌にはリャンメンターツがそろっており形も十分。早い段階でカンを入れ、目一杯に構えるのは寿人らしい。
すると嶺上牌で引き入れたのは
。手牌にはリャンメンターツが3組残り、一気にチャンス手へと変化する。
その後、するすると有効牌を引き入れて先制テンパイを果たしたのはたろうだった。
待ちはドラのカン
で愚形ながら迷わずリーチを宣言する。
裏ドラが2種類あるため、ツモアガリで裏ドラが1枚でも乗れば満貫。打点上昇の恩恵が大きく、リーチを選ぶ価値は十分にある。
すぐに寿人もテンパイ。こちらはリーチをかけずダマテンを選択した。
待ちはドラ表示牌の
を含む![]()
の亜リャンメン待ち。決して良い待ちとは言えず、さらに
や
、
を引いての変化も残されている。
今回は東を暗カンしているため、ツモアガリなら3翻60符で2000・4000。リーチをかけてツモったとしても、裏ドラが2枚乗らなければ跳満には届かない。
一般的にリーチは、出アガリ率を下げる代わりにツモアガリ率を高める選択だ。
今回のケースでは、ダマテンでの出アガリ4500点がリーチによって8000点へ上昇する一方で、出アガリの機会は減少する。また、ツモ率は上がるものの、ツモ時の打点上昇は裏ドラ2枚が必要。リーチによる恩恵よりもデメリットが目立つ局面だった。
だからこそ、いったんダマテンに構え待ち変化を見据える選択は非常に合理的だったように思う。
そして寿人は次巡、
をツモ。
ツモ・
・ドラ1の3翻60符の2000・4000。
連勝を狙う寿人が、まずは幸先の良いアガリでスタートを切った。
東3局1本場
東2局では、たろうが寿人へ5800点を放銃。しかし直後のたろうが1300・2600をツモり返し、流局を挟んで迎えた東3局1本場。親番は永井だ。
寿人の配牌は4トイツ。そこへ瑞原から役牌の
が切られるが、寿人はこれをスルーする。
役牌を仕掛けても
のみになる可能性が高く、仮にトイトイまで発展しても5200点止まり。
を鳴いたところで残りの手牌構成は決して楽ではない。
ここは七対子と面子手の両方を見ながら進める方が柔軟であり、自身がトップ目に立っている状況を考えても、焦って仕掛けて交わしに行かない判断は好判断だったと言える。
するとすぐにご褒美の
を引き入れて面子が完成。こうなると2枚目の
を仕掛けての交わし手という選択肢が広がる。
さらに寿人は
を引き入れ七対子のテンパイ。アガリやすい待ちへの変化を見据えてダマテンを選択する。
一方のたろうは
をポンして打
。
この場面は3組の対子があり、
切りでも
切りでもイーシャンテンの受け入れ枚数は変わらない。しかし一般的には、将来的に白をポンした際の最終形がカンチャン待ちにならないよう、![]()
のリャンメンを固定する
切りがセオリーとされる。
ただ、この局面では
と
が合わせて4枚見えていた。見た目の残り枚数だけで見れば、カン
待ちも4枚残りで条件は同じ。さらに
が3枚見え、ドラの
も3枚見えている状況なら、縦引きの
が山に残っている可能性は十分に考えられる。
そうした場況を踏まえれば、カン
固定を選択したたろうの判断は決して悪くない。むしろ場を冷静に読んだ上での選択だった。
だが皮肉にも、たろうが狙っていた
を寿人が引き入れる。
寿人は
待ちよりも
が良いと判断し、待ちを変更。
そして次巡、たろうは薄い
を引いてテンパイ。カン
待ちとなり、
を切り出した。
その
が寿人への放銃となる。












