初めて会ったのは駅のホームだった。耳にはイヤホン。携帯に視線を落としながら、彼は柱に寄りかかっていた。ちょっと奇抜な服装を除けば、いわゆる普通の若者。
近寄って声をかけるときに、ふと携帯の画面が目に入った。そこに映っていたのは、
麻雀の対局動画だった。
四六時中、麻雀のことを考えているのだなぁと思ったことは今でも鮮明に覚えている。
ニヤけすぎちゃうかー。
2回戦は
パイレーツ→小林剛 麻雀格闘倶楽部→佐々木寿人 風林火山→二階堂亜樹 アベマズ→松本吉弘
の対戦。
東3局。ここまで終始守備に回っていた二階堂が、佐々木のホンイツとのめくりあいに勝って4000オールのアガリ。
このときの表情がとても印象的だった。1半荘目、3着に耐え抜いて、やっと決めた渾身のアガリ。
ゆるんだ表情はとても可愛いものだった。
これで解き放たれたのか、二階堂は次局、
松本とのリーチ合戦を制し、メンタンピン一発ツモ赤ドラの6100オールのアガリ。
小林コンピューターも今日はお休み気味。このままま二階堂が独走するかに見えた南1局4本場(供託2本)。
親の小林が切った2枚目のドラに松本が反応した。
カンチャンで鳴いて打。供託が多いことに加え、ドラを切ってきた速そうな親の小林と速度を合わせに行く。鳴かれる方が上家の小林も嫌であろう。
小林の親リーチがかかるも、この仕掛けが功を奏して、
佐々木から3200のアガリ。リーチ棒3本もゲットして、3 4着と少し離れた2着目に。
松本と打ったときに感じたが、松本はツモモーションに勢いがある。同卓者に威圧の風を感じさせる、そんなモーションである。
次局も松本の仕掛けが冴え渡る。
仕掛けたトップ目の二階堂がドラのを切ったのに合わせ打ちをした小林。松本は逃さずにチーして打。
本人もインタビューで語っていたが、トップ目の二階堂は親のアクションに対して無理はしてこないことが予想される。それを逆手に取って足を止めつつ、タンヤオのアガリに向かって1手進めておいた鳴きである。
このあと、を重ねて打。をチーしてテンパイ。二階堂はイーシャンテンでをつかんでしまう。
結果は松本のツモアガリ。戦略的な駆け引きも得意分野であることが証明された。
勢いに乗る松本。次局、カン待ちのタンヤオを思い切りよく即リーチ。見事ツモ。裏も乗って4000オールのアガリ。
3 4着目の悲壮感ただよう表情…
さらにこのあと決定的な場面が。
なんとか逆転したい二階堂が先制リーチ。
これに対して盤石のイーシャンテンだった松本が追っかけリーチ。
それを受けた佐々木の手牌、
ここから佐々木はを切る。
これはさすがに淡白なのではないだろうか。確かに国士無双のイーシャンテンで、自分は今点棒が無い状況で一発逆転を狙いたいのは分かる。
しかし、だけでなくも通っていない。また、自分がアガるにはと以外にもこれから引いてくる危険牌を通して、他の2者のめくりあいでアガリが発生せずに、自分がテンパイを入れて、そこから3者のめくりあいに勝たねばならない。
厳しすぎる道のりだ。
結果、松本に親満の放銃。
先は長いとはいえ、リーグ戦の中での-12.9pは決して軽くない。
この後、華麗な差し込みも決めて、松本がトップ。2着が二階堂。3着が小林。4着が佐々木となった。
今日の結果がこちら。インタビュー時にチームメイトの絆が固いと語るアベマズが3連勝で首位となった。
こう長々と偉そうに語ってきたが、1つ意図が汲み取れない場面があった。
1戦目の東4局 前原の先制リーチと白鳥の追っかけリーチに挟まれた、朝倉の切り番。
この2pをきった意図を本人に聞いてほしいです笑