深くため息をついて天を見上げる。
まっすぐ押していれば瀬戸熊からの出アガリもあったが致し方なしか。
ところで、Mリーグの楽しみ方はいろいろあるが、「選手の表情」も楽しみの一つだろう。
藤崎のチームメイトである佐々木寿人選手は全く表情が変わらないが、藤崎は割と表情が豊かなようだ。
実況の松嶋桃プロからは「しょっぱい顔」と称されてしまうが、それでいい。
おじさんにはしょっぱい顔がよく似合う。
続いて東3局
「まだおじさんとは言わせないぜ!」思ったかどうかは分からないがかなり積極的な仕掛けだ
(ちなみに、子供ではない男性はみんな「おじさん」くらいの気持ちで書いています。
私もおじさん、あなたもおじさん。
ファンの方は広い心で読んでいただけると幸いです。)
この局は、内容も非常に面白かったのだが、何よりも風林火山・勝又プロの解説が非常に素晴らしかった。
先に紹介した将棋の木村王位も解説が面白いことで有名である。
ここから先は「解説が面白いおじさん」でもある勝又プロの解説とともにお送りします。
勝又「この仕掛けはホンイツとトイトイを見ながら、最悪のみで良しの仕掛けですね。
ドラのが0枚、1枚の人にはかなりプレッシャーになりますね。」
内川はここでは形を崩さず切りを選択。
そして続いてもポン!
ここで打として完全にマンズのホンイツに狙いを絞った。
勝又「内川さんとしては、トイツがあるもののまだ手牌がバラバラじゃないですか。なのでここからマンズや字牌を切ってきた人の安全牌を持ちながら進めることを考えるでしょうね。誰が攻めてきてるんだと」
対する瀬戸熊、を重ねてチートイツイーシャンテン。
ドラのが1枚浮いているがチートイツなら問題ない。
ここで打
勝又「内川さんから見れば、自分の仕掛けに対してを押してきてを手出ししてきた瀬戸熊さんが一番手ということで瀬戸熊さんの安全牌を残しながら進めたいですね。」
これに対して内川、をツモって打
まだターツが足りていないのでアガるだけなら字牌を切りたいところだったが・・・
勝又「これは追撃のような感じで、手出しすることによって『じゃあこの後のマンズどうですか?僕マンズ余らせましたけど?まだ切るんですか?』ということですね。」
なるほど、水面下でこのような駆け引きが行われていたのか。
それにしても勝又の解説は1巡ごとに的確で洞察が深い。
聞いていてとても勉強になる。
勝又の解説は間違いなくMリーグの楽しみの一つだと言えるだろう。
さあ内川もを引いていよいよイーシャンテン。
あの配牌がよくもここまできたもんだ。
この後もツモ切っていよいよテンパイ濃厚に見える。
勝又「の後に字牌が手出しなのでターツが足りているいると読めますね。ということはどんなに悪くてもイーシャンテン。もうテンパイでもおかしくないのでここから字牌とマンズを切ってきた人は相当煮詰まってると言えます」
この仕掛けにマンズを切ったのは藤崎だ!
勝又「確かに内川さんはオタ風のポンなので、ドラのさえ切らなければ2000点でしょ?とも考えられるということですね。それにしてもめちゃめちゃ攻撃的だと思います」
は序盤に瀬戸熊が切っており、トイトイなどには当たらなそうだ。
藤崎にしてみれば親番で赤赤の手牌。簡単にオリるわけにはいかないといったところか。
このを内川が当然のチー。
とのシャンポン待ちでテンパイだ。
しかし当然他家も黙ってはいない。
まずは瀬戸熊。
ドラを重ねてテンパイ。
内川が切っているは待ちとしては絶好だが、が切りづらい。
通っていない字牌はドラの、、そしての3種類のみだ。
いくらアガリ易い待ちとは言え放銃してしまっては元も子もない。ここは通っているを切ってダマテンに構えた。