小林の仕掛けと言えば早い!安い!と思われがちだが、それだと麻雀は勝てない。特にMリーグのような赤があって、トップが偉いルールだとなおさら。
手牌自体はアガリにくいが、もうホンイツ赤1のマンガンが出来ている…ともいえる手。仕掛けて相手を牽制している内に手を作る。小林の得意パターンだ。
しかしここでにがくっつき、方向転換。バックの赤1の二千点の手牌にあっという間に変化した。小林の仕掛けは本当に柔軟だ。
親の黒沢が終盤にテンパイ取らず。
勿論、とのシャンポンでドラのを叩ききってリーチするのも面白いとは思うが、黒沢はそれを好まない。
そもそもが小林の仕掛けにソウズが高く、さらにが1枚切れ。ここはにくっつけてのピンフドラドラのリーチを目指したい。
を引いて待ちに取らずにドラ単騎。が場に切られすぎている。
黒沢は自身の特技をドラ引き!だと言っているが、このドラのはもう山には残っておらず、引けない。
沢崎がリーチ宣言!
巡目も終盤で、小林もをポンしている。依然、ホンイツ風味な捨て牌。
自分の手も567の三色まで見れる勝負手だが、567の三色を目指す為には小林に危ないソウズを切る事になる。
なら自分の手もピンフドラ1の勝負手。ここはリーチだ。
黒沢が手替わり!
降りる選択はもう無い。ドラのも中筋とは言え、黒沢は切らないだろう。シャンポンにでも放銃したら目も当てられない。
考えるべきは、切りの待ちか?
切りの待ちの二点の選択だ。
が3枚見え。もバラバラと見えている。ここは通りやすそうなを切ってののピンフドラドラのリーチしかないな…。と思っていた。
「リーチ!」
しかしここは切りリーチの待ちで勝負に出た!
これはもう自己都合以外考えられない。
すなわち、との危険度ではなく、とどっちの方が山にいるのかで黒沢は選択したのだ。
は分からないが、沢崎の現物のはベタ降り気配の滝沢と小林から切られていない。確実に山にいる!と思ってのリーチ。
それにしたって思い切りが良すぎるリーチだ。沢崎のリーチはタンピン系の捨て牌。が通っており、当たるとすればドラのが絡むだ。
つまりで放銃すればメンタンピンドラ1のマンガンにまでなる。その点、は通りやすだけでなく、仮に放銃したとしてもドラから遠く、タンヤオが付かない。ついついを我々は切りがちだ。
流石強気のヴィーナス。その二つ名は伊達じゃない。
狙い目のを終盤にツモって、リーチツモドラドラ裏の4000オール!!
流石の打点力の高さを見せつけた。
こうなると後は黒沢の独壇場だ。点数を持った黒沢は怖すぎる。
南1局ではこのピンフ三色ドラ1をヤミテンのままツモって2000-4000!
南2局でも、
3面張でリーチを打ってあっさりとツモ!リーチツモピンフドラウラのまたもや2000-4000!
黒沢のダイナミックな麻雀を誰にも止められず、大トップを確定させた。
勝利者インタビューで、自身の懐妊を発表した黒沢。Mリーガーにも多くのママさん雀士が多くいるが、黒沢もその一員になろうとしている。
老若男女問わず出来る麻雀というゲームはとても素敵なゲームだと感じた。
きっと子供が生まれたら黒沢はもっと強くなるはずだ。今でさえ、強いのにこれ以上強くなられたら…と思うと少し怖い。
小説家に憧れる中で、競技麻雀に惚れ込んだ二十代。視聴者と一緒の視点に立ってわかりやすい記事を書いていきたい新人ライター。