しかし朝倉からリーチが入ってしまう。萩原リャンシャンテンでは苦しいか?
をツモってこの形。ここまできてようやく、萩原がやを先に切らなかった意図が見えてきた。そう、三色は三色でも、チャンタ三色だ。幸いとはリーチを掛けている朝倉の現物。安全に手を進めることができる。
を引き入れて、が鳴けた!
ここは勝負だ。見事チャンタ、三色、ドラ1のテンパイを入れることに成功した。
結果としてアガることはできなかったが、中スルーからチートイツを見つつ、遠くにチャンタ三色。
まさに手役派の面目躍如といった一局だった。しかしながら、萩原はオーラスに2着逆転のテンパイを入れるも親リーチに振り込んでしまい痛恨のラス。華麗な手役を魅せることは叶わなかった。
チーム雷電 萩原聖人
4位 -76.5pt
②滝沢和典のイメージを
覆すチョイ悪リーチ
滝沢和典の麻雀といえばどんなイメージがあるだろうか?
この日の対局者でもあるPirates朝倉康心選手の著書「麻雀の失敗学」にはこのように紹介されている。
(以下引用)
「麻雀の教科書と呼ばれているようなお手本のような美しい麻雀を打つ」
確かにこのようなイメージはあるかもしれない。リーチは良形、仕掛けたら打点か速度がある。麻雀の王道のイメージだ。しかしながら一方でこのようにも書かれている。
(以下引用)
「ふたを開けてみればホンイツのブラフや親での2枚切れカンチャンリーチでの足止めなど、バーリトゥードもお手の物」
「バーリトゥード」とは「何でもアリ」の格闘技のことを指す。
なかなかうまい表現だと感心するが、いったいどのあたりが「何でもアリ」なのか見てみよう。
南1局2本場
前局に12000を放銃した滝沢。この局も岡田から先制リーチが入ってしまい、苦しい局面。
リーチを受けてこの手牌。一応イーシャンテンだが形が悪い。ラス目なので簡単にオリたくはないところだが・・・
をツモって現物の切り。
さすがにこの手ではケンカできない。
は朝倉にも現物なので丁寧にから切る。まさに教科書通りだ。
お!を引いたぞ!
これならケンカする価値がある。タンヤオを見て打
テンパイ!!
流れるようにを勝負。前巡の切りからノータイムの選択が続く。
他家から見ても押しているのは明白だが、テンパイしているかどうかは分かりにくい。
これはツモ切り・・・
「リーチ」
予想に反するリーチの声。
滝沢の選択はドラの切りリーチだ。
は現物では萩原が通しているため、は中筋。
危険度はそこまで高くない。
また、ドラ表示牌のカンでダマテンにするよりもカン待ちでリーチしたほうが、他家のオリ打ちの可能性もあるし、ヤマにも残っていそうだ。
確かに選択としてはなるほどと思わされるが、こんなことは教科書には書いてないのではないだろうか。
そして見事、山に2枚残っていたを引き当てた。