たった1牌の
安全牌を持つか否か⁉︎
園田賢の運命を握った「北」
文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2020年10月27日
2回戦目は不調者と好調者が明らかなメンツが集まった。日向は今期物凄く良いスタートを切っており、堀自身も1回戦こそ3着を引いたもののトップを1回取っていてそこまで個人のポイントもマイナスしていない。
しかし、園田と和久津は今期一回もトップを取っておらず、和久津に至っては個人ポイント29位と下から2番目の位置にいる。
今期は1位以外の人にもインタビューがあるが、サポーターやファンの皆は、応援している選手がトップを取って元気よく勝利者インタビューを受けているのを見たいはずだ。
日向、堀が今季2勝目を挙げるか?和久津か園田の初勝利か?目が離せない試合になった。
【2回戦】
西家 和久津晶(セガサミーフェニックス)
北家 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局 ドラ
日向の調子がすこぶる良い。の四面張の親リーチを打つとこれがすぐにアガリに結び付き、
リーチタンヤオピンフの5800をイーシャンテンの和久津から打ち取った。
東1局1本場 ドラ
園田のポンの声が早い。が出た直後にポンの発声。
現状バックの3900の手牌だが、からの伸びでタンヤオまで伸びる可能性もある。色々と柔軟性が高い手。
もしを鳴けずに他家に先制リーチが入ったらを対子落としをして降りれるし、をポンできたら一気に勝負手に変わる手牌。
園田が選択。
ドラのを引いてドラ4に手牌が変化。ここで分岐点。
と落としてバックにするか?を対子落としをしてタンヤオに渡るか。
ここはもちろん…。
を落としてタンヤオに渡る。
現状は誰でもを切ってはくれそうだが、巡目が深くなればのポンは期待しにくくなる。
ここは絶対にアガリたいので、の2枚の牌に期待するよりもカンの4枚の牌に期待を寄せる。さらにこのカンターツはリャンメンやシャンポンにも変化できるので柔軟だ。
を引いてなんと、手牌の中にドラが5枚。タンヤオドラ5のカン待ちの跳満聴牌。
この牌は山に1枚しかなかったものの…。
このラス牌のを園田は見事にツモアガリ!タンヤオ赤3ドラドラの3000-6000!
当初はドラドラの3900点の手牌だったのが、気づけばタンヤオドラ5の12000に変化している。これが園田の構想力という名の魔術か。
東2局 ドラ
点棒を持った園田は何故かイキイキしているように見える。親番の園田が元気よくをポン!
正直遠すぎる手牌。仕掛けない人も多いだろうが、園田は一応最低でも5800が見えるので仕掛けた。
安全牌には2枚切れの、さらにはドラ表示牌のが手牌の中にある。他家のリーチが来たときにも安全牌が2枚もあるので、園田にとっては仕掛けやすい手牌なのかもしれない。
ここから園田は他家に圧を掛け始める。まずは手始めに打。
アガリに懸けるのならば、切りの一手なのだがこの手牌にはを切るほどの価値がない。とは言って、聴牌すらも危うい手牌で初牌の字牌を切って他家を楽させるのも得には思えない。
ここはを余らせることによって自分が聴牌であることを存分にアピールし、失点無しで親番を流したい。を切っても手牌のスピードがさほど落ちる訳でもないのが、地味に嬉しい所。
園田がターツを壊す打。
もはや聴牌を目指していない園田の一打。視聴者からは園田の実質のアガリ放棄の意思が伝わってくるが、他家はそうは思わない。
「とが手出し…。2枚も余れば流石にソウズのホンイツ聴牌か?」
という考えが頭によぎってしまう。故に、この局面は勝負手の人しか親番の染め手には押せない。
ドラのが対子で確定三色の和久津がブンブンと押すものの、惜しくも流局。園田にとってみれば、あんなにバラバラの手牌だったのにたった1000点の失点で済ませたのは大きすぎる。
東3局2本場 ドラ
園田が少しおかしな打牌をしだす。この手牌でドラのを打つ。