フーロ者がアガれない?
解けないMリーグの呪い
躍動する松ヶ瀬隆弥
文・ZERO【火曜担当ライター】2021年12月28日
サウナに行ってもカラオケに行っても高い年末料金を取られた。
(財布が)寒い夜だから~なんて歌っても、全く気が晴れない。
Mリーグは本日12/28(火)が最終戦。
年が明けた1/3(月)から再開する。休みはほとんどないようなものだ。
外に出てもろくなことがない。年末年始はおとなしくMリーグを見るとしよう。
運命に抗い続ける男たち
東2局、石橋が一打目に打たれたにポンの声をかける。↓
バックがメインで、うまくいったらホンイツやトイトイを狙う構え。
門前・高打点の打ち手が主流のMリーグにおいて、石橋は異端の存在である。
新規加入選手が増え、少しずつ速度型になってきているとはいえ、まだまだ門前主流のように感じる。今季の石橋の成績も-158.3と冴えない。
かといってそこで相手に合わせてしまったらますます門前・高打点が有利になってしまう。
──自ら運命を切り開くように、石橋は鳴き続ける。
さらに今日は下家にたろうくんという、お友達が座っている。
8巡目、たろうはドラのをポンした。
3トイツしかないのでメンゼンでの七対子も苦しい。
動いてホンイツ、トイトイ狙いかと思いきや、たろうはを切った。
「一応、役牌重なりでのアガリを狙ってはいますが、ダメモトってやつです」
たろうも石橋同様、遠い仕掛けを多用する打ち手だ。
そしてたろうも今季こそプラスだが、これまでのシーズンで思うように実力を発揮できていない。
たろうは、いつしかこう語っていた。
「安い仕掛けに対し、過度に絞られる傾向がある。絞られると、絞った側・絞られた側の手が死に、残った遅い高打点派が有利になってしまう。」
もっとラフに殴り合ったほうが、結局は自分の利益になるのでは? というのがたろうの主張だ。
この局がそうだった。
のぶひろくんとたろうくんの無邪気な仕掛けを受けた、松ヶ瀬の手牌。↓
12巡目、ピンフドラ1のイーシャンテンになったが浮いているとは生牌。
さすがにこれは人として切れない。松ヶ瀬もを切った。
3人が牽制しあっているうちに、とうとう親の茅森にテンパイが入ってしまう。
2mが3枚切れているが、半荘の趨勢を決めかねない勝負手だ。
(アンタら… ちょろちょろ鬱陶しいわね)
と思ったかどうかはわからないが
茅森は1枚切れのを切って、怒りのリーチを打った。
結果は…
流局。たろうも生牌のを切って、しぶとく形式テンパイをとっている。
これは、は石橋がトイツ以上の可能性が高いと考えての押しだろう。
危うく6000オールとなりそうな茅森の手牌を見て、3人とも肝を冷やしたはずだ。
このように、遠い仕掛けは間に合いづらく、返り討ちに合いやすい、というのがMリーグというフィールドなのだ。
降ろしそこねた荷
東2局2本場もそうだった。
親・茅森の5巡目。↓
茅森はここからゆったりとを切った。
ストレートに、もしくはピンズのイッツーを意識してを切る人も多いのではないだろうか。
「強く勝負できるよう好形を作りにいく」
というのもMリーグの傾向の1つに感じる。
その後茅森はダブをポン。