できることは全部やる
追いかけ続ける期待値
これが園田賢を
園田賢たらしめる理由
文・後藤哲冶【担当ライター】2022年11月10日
赤阪ドリブンズは窮地に陥っている。
まだ序盤とはいえチームのマイナスは400を超えてしまった。
トップを取ったメンバーは未だ園田のみで、首位をひた走るアベマズとのポイント差は実に800ポイント。
セミファイナルに向けて早くも黄色信号が点灯しているように見える。
11月11日木曜日第2試合
東家 多井隆晴 (渋谷ABEMAS)
南家 園田賢 (赤阪ドリブンズ)
西家 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
北家 茅森早香 (セガサミーフェニックス)
そんな苦しい状況の中、ドリブンズの2戦目登板を任された園田。
前回トップの勢いのまま、チームにプラスを持ち帰れるか。
開局の狼煙は静かに。
中盤にカンのダマテンを入れていた内川がマンズホンイツに向かった多井から打ち取って2600のアガリ。
東2局は茅森がリーチツモの500、1000で加点。
とはいえまだ大勢に影響が出るほどのアガリは生まれない。
大きく動いたのは東3局。
多井の手にドラドラ赤の勝負手が入る。
形も整っていて悪くない。
2巡目。ここから打。
親の現物ではあるが、自分の手を重視して自風牌のを残す。
細かな差ではあるが、多井ならば自身の手があまり良くなかったらここはを残して他の牌を選ぶだろう。
僅か1枚の後先が、大きく影響してくることを、多井は誰よりも知っている。
これを重ねた。
次巡茅森からが出てポン。5巡目にしてたちまち8000点のテンパイ。
これが内川から出てしまう。
放銃した内川を責めることはできない。こんな早いテンパイを親番でケアしていたら麻雀にならないのだから。
続く東4局。
多井が素晴らしい手順を魅せる。
6巡目。
この手牌から多井の選択は。
打。
メンツ手は諦め、アガるならチートイツという手組。
親の茅森が手出しからのツモ切り。下家に座る園田も役牌からの切り出しで、と数牌が余っている。
速度で劣っていると感じた多井らしい守備的な選択。
そしてこれが功を奏す。
連続で有効牌を引き入れて、なんと先制リーチ。
狙いのは、しっかりと山に2枚眠っている。
実は多井のリーチよりも先にテンパイを入れていた園田。
しかし役なしドラ無しのカン待ち。そこに持ってきたのは、ドラの。
当然ここでオリの選択になると思われたが。
園田が長考に沈む。
確かにが切れていてで当たることが無く、リーチ宣言牌のは自分で切っている牌なので少しだけチートイツとしては違和感がある。
とはいえ、ドラのション牌ということもあって通常は切りそうにない牌だが……