Mリーグweeklyダイジェスト
2022年 11月28日〜12月2日
10月に開幕した大和証券Mリーグ2022-23レギュラーシーズンは、2ヵ月でおよそ3分の1の日程を消化している。その中で、12月からはy.u.mobileのMリーガーを起用した新CMの放送が始まった他、Mリーグ中継では用語解説が表示されるようになるなど、新たな取り組みもスタートした。コアな麻雀ファンだけでなく、これから麻雀に親しもうという人たちでも楽しめるMリーグ、そのコアとなっているのはやはり、選手たちの熱い闘牌だ。
■11月28日(月)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電
第1試合
本田が東2局にハネ満ツモで大きく加点すると、その後も積極的な選択でアガリをものにして快勝。一方の堀は鋭い一打を見せる局面は多々あれど4着に敗戦。今シーズンは非常に厳しい展開が続いている。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+60.0
2位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+13.5
3位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲12.1
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲61.4
【観戦記】
逆風に抗う小さな天才、麻雀の不条理が堀慎吾を襲う(江嵜晋之介)
第2試合
序盤は園田がリードする展開で推移するも、渋川がオーラスの親番でこの日唯一のアガリとなる6000オールをツモって一撃で逆転。そのまま勝利を飾った。最終局は伊達に逆転の可能性漂う手が入るも園田がかわし、2位を確保して試合を終えた。
1位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)+62.3
2位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+7.4
3位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲18.2
4位 黒沢咲(TEAM雷電)▲51.5
【観戦記】
トップ取り先生降臨? 渋川難波、勝利を手繰り寄せた強気の攻め(東川亮)
■11月29日(火)
対戦カード:EX風林火山・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス・U-NEXT Pirates
第1試合
今シーズンここまでトップがなかった近藤がようやく初勝利をゲット。東場の親番で大きく点数を稼ぐと、小林の猛追を受けるも逃げ切った。小林はこの試合、リーチ5回アガリ5回放銃5回と大暴れ。最後はツモれば逆転トップのリーチをかけるも、日向への放銃となって逆転を許した。
1位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)+73.3
2位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+6.8
3位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲13.3
4位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲66.8
【観戦記】
GOAL! 近藤誠一のサウスポー一閃がフェニックスの転換点となる(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
序盤から持ち点を伸ばした亜樹が最後まで逃げ切って快勝、自身の連勝を3に伸ばした。ここまでラスがない白鳥は、東1局に亜樹へ7700を放銃するなど苦しい展開が続いたが、終わってみれば2位でまとめている。
1位 二階堂亜樹(EX風林火山)+65.5
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)+7.2
3位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲20.5
4位 仲林圭(U-NEXT Pirates)▲52.2
【観戦記】
無言の意志疎通、裏切りと信頼の群像劇(越野智紀)
■12月1日(木)
対戦カード: EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
序盤は松本が大きく点数を伸ばしてリードを広げるも、南2局に瑞原のダマテン満貫に放銃したところから崩れ、瑞原が逆転。オーラスは4番手の内川がツモれば逆転トップという起死回生のリーチを放つも実らず、瑞原が接戦を制した。
1位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+50.4
2位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+7.6
3位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲18.1
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲39.9
【観戦記】
“嗅覚”の試合巧者 U-NEXT Pirates 瑞原明奈はトップを持ち帰ることが出来るのか?(ゆうせー)
第2試合
11月17日以来の出場となった多井が、アガリ6回、放銃ゼロの完璧な試合運びで他3者につけいる隙を与えない快勝。相手の攻撃をかいくぐりながら大きなアガリを決めるなど、攻守に抜群の存在感で試合を支配し続けた。
1位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+80.4
2位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+1.0
3位 二階堂瑠美(EX風林火山)▲26.8
4位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲54.6
【観戦記】
This is 麻雀星人、This is 多井隆晴 試合を支配したパーフェクトゲーム(東川亮)
■12月2日(金)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・セガサミーフェニックス・TEAM雷電
第1試合
寿人が快勝。序盤からアガリを重ねてリードを広げていくと、茅森や丸山の猛追を受けるも南場の親番で再び突き放し、勝利を飾った。今シーズン初トップを目指して奮闘した丸山だったが、この試合は3位で終えている。
1位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+58.9
2位 茅森早香(セガサミーフェニックス)+9.3
3位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)▲12.4
4位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲55.8
【観戦記】
「奇跡の逆転」が「当然」に変わる日まで…… 丸山の魔王討伐大冒険(渡邉浩史郎)
第2試合
高宮が高打点のアガリを連発して快勝。東1局から攻撃的な姿勢で加点し、その勢いのまま押し切って大きなトップを獲得した。KONAMI麻雀格闘倶楽部はこれでデイリーダブルを達成、2位に再浮上している。
1位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+86.4
2位 本田朋広(TEAM雷電)▲2.0
3位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲26.9
4位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲57.5
【観戦記】
待っていても風は吹かない 高宮まりが自ら手繰り寄せた 連勝の気流(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
クロックアップする思考 佐々木寿人の刹那に集約したアガリへの嗅覚【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・12月2日】
一つひとつの細かい局面について、瞬時かつ高い精度で選択していく佐々木寿人の麻雀について触れられている。
■11/28-12/2の結果
週の勝ち頭はKONAMI麻雀格闘倶楽部。12/2のデイリーダブルでスコアを伸ばし、再びポイントを200台に乗せて2位に浮上した。一方で、週頭の段階でマイナス圏にいたチームがポイントを伸ばせておらず、3位と4位のポイント差が300を超えるなど、やや縦長のポイント状況となってきている。
■12/5-12/9の注目ポイント
まず注目したいのが渋谷ABEMAS。例年11月の結果がよくないということで出場を見合わせていた多井が12月の初日に見事なトップを獲得。チーム36戦でラスがわずか3回と圧倒的な安定感を誇るだけに、多井の戦列復帰を追い風に、どこまでスコアを伸ばしていけるか。また、赤坂ドリブンズはそろそろポイントを戻していかないと、年明け以降他チームに辛く打たれる状況が訪れかねない。その厳しさは過去に何度も味わっているだけに、何としても12月の内に他チームを捕まえておきたいところだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。