「しかたない、
コツコツやるか…」
仲林圭はいつまでも
落ち込まず、
今日も積み立てる
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年3月6日
第1試合
東家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
南家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:東城りお(セガサミーフェニックス)
北家:村上淳(赤坂ドリブンズ)
事件は、南2局5本場で起きた。
東場は勝負手が決まらず、点数移動の少ない展開となった。
南1局に入ると親番の仲林が12,000点のダマテンで滝沢を打ち取りトップに立つ。
振り込んだ滝沢は、南2局の親番で連荘を続け、トップの仲林に肉薄する点差まで追い上げていた。
そして迎えた5本場、トップ目の仲林の配牌。
リャンメン・ドラ赤とあるが、么九(ヤオチュウ)牌が10種類ある。
国士無双の3シャンテンだが、頭が無いので実質2シャンテンと見ていい。
1打目に、2打目にドラのとその意思を隠すことなく、仲林はまっすぐ国士無双を狙う。
すると…
なんとわずか5巡で国士無双のテンパイを入れる!
待ちは。山には3枚生きており…
残りの1枚は、滝沢の手に今にもこぼれそうな状態で置いてある。
仲林の河には么九牌がまだ一枚も出ておらず、テンパっているとは誰も気づくことはできないだろう。
今年に入ってからMリーグでは役満が多発している。
記憶に新しい亜樹の四暗刻単騎から始まり、先週の高宮の四暗刻ツモでなんと3週間連続で役満が成就している。
冗談交じりに言っていた四週間連続役満が決まるかと思われたが、誰しもが想像していなかった結末が待っていた。
同巡滝沢はを切らず、打で国士無双への放銃を免れる。
滝沢の視点がこちら。
現状ターツは足りているが、カンがネックになりそうな手牌。そこで七対子は見ずにリャンメンを固定し、ターツの振り替わりを狙う。こうすることで周りを引いた時ももちろんを払うことができ、を引ければソーズを2メンツ+雀頭として作り変えることもできる。
自身の手だけを考えた選択と思われるが、結果的に32,000点の放銃を回避する。
さらに、2巡後ラス目の村上からリーチが入る。
4枚目のを暗刻にしてリーチ・の待ち。
そしてその直後…
親の滝沢がを放銃する。
「ロン」
「ロン」