伊達さんの強さって何ですか?
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年10月10日
第2回戦
東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
伊達選手の強さはどこにあるのかと、よく聞かれます。
プロ入り2年でMリーグにドラフト指名されるや、最高スコア・MVPと毎年個人タイトルを獲得。半端ないです。こんなことは普通出来ません。後からきて沢山トップ取ります。
5ブロック進行で手牌をスリムにするタイミングの判断の良さとか負けず嫌いなところとか勉強熱心なところとかも聞いたことはありますが、「虎には強さの秘密なんてなくて、虎は虎だから強い」的な生物としての強さも画像からは滲み出ています。
あと麻雀を打つ時の雰囲気も良いです。
伊達選手は3年目のMリーグも息を吐くかのように個人2連勝と、2年連続MVPに向けて順調なスタートを切っていました。
この快進撃を止めるべく登場したのが、伊達選手と同じオーディションで活躍をして同年Mリーグに入った本田選手。
1年目は苦戦するも2年目から持ち前のふらふら打法が上手く機能して個人4位の活躍をみせ、チーム初のファイナル進出の原動力となりました。
※試合前にふらふらする茅森選手
そもそもふらふら打法とは何ぞやって話なんですが、押すか引くか鳴くか鳴かないかリーチするかしないかを毎巡おこる変化に合わせて決めていく柔軟性の極み打法です。
開局、役無しでリーチをかけて1人テンパイを奪った本田選手に
またも役無しのテンパイが入ります。
待ちになれば勝算が高そうな手でしたが苦しいシャンポンが残り、親の松本選手からものトイツ落としが入っていて少し嫌な雰囲気。
終盤にが余ってしまうのも危険なので、索子の変化だけに期待してここではダマテンを選択するも
次巡の引きで切りリーチへと心変わり。
のリャンメンターツを払っての待ちなら出アガリ率も良くなったとふらふら打法の柔軟さが出ました。
ところが、ふらふらと戦場に現れた本田選手を待ち構えていた松本選手から
ツモ切りで追いかけリーチが飛んできてしまいました。
捨て牌も変則でなんだか怖いです。
こうなると他家の降り打ちを期待したい本田選手。
本田選手の祈りが神に届いたか、手詰まってしまう茅森選手。
とが全部見えていて、候補はノーチャンスのと。あとは中筋のといったところ。
残り4巡凌がなければならない中、天才すぎるオンナ雀士は
本田選手が期待していたを回避。
それどころかでもでもない、1枚しか持っていないを選んできました。
この時、松本選手の手はリーチ・チャンタ・三色・ドラのペン待ち。
「は絶対に打てない牌でしょ」と、トイツ落としの後に手出しをしていたに焦点が合っていた茅森選手。
このが手牌に関連している牌ならペンは本線だと読めていました。
このままもも打たず2人のロン牌を止めて耐え切り流局すると、その後も放銃ゼロの堅い展開で局が進み迎えた南2局1本場
少考する伊達選手。