文・東川亮【金曜担当ライター】2023年12月8日
大和証券Mリーグの日程を見ている方であれば、お気づきの方も多いはず。
12月8日と12月11日は、全く同じ対戦カードの試合が組まれている。つまり、4連戦だ。そしてこの4チームは、好調の2チーム(サクラナイツ・パイレーツ)、不調の2チーム(BEAST・フェニックス)にハッキリと分けられる。
まだまだシーズンの先は長く、自チームのポイントを伸ばしていくことに注力する時期だが、特に下位の2チームにとってはライバルをたたいて浮上のきっかけとしたい2日間である。
第1回戦
東家:鈴木大介(BEAST Japanext)
南家:東城りお(セガサミーフェニックス)
西家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
結果から先に書くと、2人の前に立ちはだかってトップを獲得したのは、サクラナイツ・渋川だった。
東1局、大介のリーチは、ドラのを切っての待ち、チートイツ。が直前に1枚切られているとはいえ、大介らしい思い切った選択だったが、
仕掛けた渋川がかわしきる。タンヤオドラドラ、3900は打点としてもそこそこ。
東2局、渋川は東城の待ちリーチに対してハイテイ手番で手詰まるが、をひねり出して放銃回避。
そこからひとアガリして迎えた親番では、わずか3巡で門前ホンイツドラをテンパイ、すぐに仲林から出アガリして12000を加点。その後はしっかりと守備をしながら細かいアガリで局を回し、リードを守り切ってチームにトップを持ち帰った。
一方で、あまりに厳しい放銃となってしまった仲林は、この試合では最後までアガリに恵まれず、箱下のラスに沈んだ。
仲林が遠く離れた状況で、東城と大介は一つでも上の着順で試合を終えようともがいていた。
南3局、大介はを引いて2つめの暗刻ができたところで、ドラのを切った。は1枚切られていて山に残っていそう、対してはドラだけに所在不明ということで、この手の最終形をツモり四暗刻に定めてチートイツを見切った一打。かなり思い切った選択だ。役満をアガれば一撃でトップ。
四暗刻にはならなかったが、ツモり三暗刻でリーチ。ツモれば満貫スタート、裏ドラが乗ってハネ満、倍満になれば逆転は十分狙えるようになる。
そこに対し、親の渋川がチートイツでテンパイ。待ちのは大介の中スジ。ただ、渋川としては放銃だけは避けなければならない。
巡目も終盤である。少しでも危なそうな牌は切らないということで、でオリた。渋川としては、この局で自身がノーテンだったときに東城にテンパイを取られるとオーラスで満貫ツモ条件を作られてしまうが、2巡前の少考からの切りで東城のオリ気配を読み取ったものと思われる。実際、東城のはトイツ落としだった。を並べなかったのは少しでもノーテンと思われないようにする工夫だが、渋川はそれも見抜いている。
大介の勝負がけリーチは実らず流局。いよいよ、東城、大介の後がなくなる。
南4局1本場。
東城が4巡目にを鳴いた。渋川の切った1枚目には声をかけておらず、いわゆる「同巡2鳴き」。東城としてはできるだけ逆転条件のハネ満を作りたいところだったが、打点が見える手ではなく、を鳴かなければアガリすらあやしいため、2着を守りに行く選択となった。
東城は先にテンパイを入れるが、仲林からリーチがかかった。そこに対し、スジとはいえドラのも押していく。打点は2000点、アガれば2着確保だが、巡目が深くなってきたことで見逃しも考えるようになったという。渋川とのテンパイノーテンで、次局の逆転条件が満貫出アガリに緩和されるからだ。
東城のロン牌が出ることはなかったが、仲林のアガリも生まれず流局。東城が少しにじり寄った。
迎えた次局、東城が願っていたような手が入った。678の三色がハッキリと見え、三色ならダマテンでOK。ソーズが縦に重なったとしてもリーチタンヤオピンフ赤で満貫条件をクリアできる。
ただ、チャンスが生まれたのは大介も同じだった。東城に先んじて、一気通貫ドラドラ、カン待ちのテンパイを入れる。大介はこの手をダマテンとした。
トップを取るには倍満が必要だが、この手をリーチしてツモってもあと2翻が必要。大介がリーチをかければ渋川や東城はよほどでない限りオリることになり、仲林から出たとしても、裏が乗らなければ3着止まりということで、直撃チャンスを狙った。
東城もカンを引き入れ、三色確定のダマテンを入れる。
しかしここは、大介がすぐにをツモ。
結果、2人は33700点の同点となり、順位点を相殺する形で試合を終えた。