高宮まり、
新たな「格闘スタイル」へのチャレンジ―
文・高倉拓馬【木曜代打ライター】2024年11月21日
第1試合
南家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東1局、親の配牌に激震走る。
中田、9種10牌。
まだバラバラなため分かりにくいが、こういう時は
・19以外の牌
・被っている牌
の順で調べていくと分かりやすい。
1打目から国士無双に照準を合わせて進めていく。
思い出せば、このメンツは約1ヶ月前、10月29日。
視聴者の記憶にも鮮明に残ったであろう、松ヶ瀬の3枚切れ国士無双リーチ。
そのストッパーになったのは、
かなりバラバラといってもよいところから仕掛け出し、
アガリをものにした、高宮。
これ以降、私の知る限り、役満はアガリどころかテンパイすら発生していない。
奇しくも役満のテンパイ者とそのストッパーが再び同卓したこの半荘、今日こそは役満が決まるか…?
東1局
その中田の手牌。5巡目にして1シャンテン。
7巡目には字牌が余り出し、早々に危険ムードが漂う。
そもそも親が配牌から国士無双に決め打っていることが、それなりに異常事態である。
親というのはリーチやテンパイ連荘に価値を一番見いだせる立場であり、国士無双の決め打ちはそれを最初から放棄していることになる。
「国士無双が一番速い」可能性すら存在する。
これに一番敏感に反応したのは黒沢。
を打つモーションに力が入っている。すでに警戒心があることがうかがえる。
12巡目には自分の手牌価値が低いと認識し、2巡前に松ヶ瀬が通したに手をかけている。
打としてカンが入った時だけリーチを打つ選択肢もあったと思うが、ここでを打たなかったのには高宮の捨て牌が関連してくる。
黒沢は高宮の打にかなり反応している。
黒沢自身が中田の手牌を相当評価しているのだから、周りに押している人がいればそれも同様に評価すべきであろう。
ダマテンもケアする必要があり、ダブル無筋のを打つことも出来ないと黒沢は考えたのである。
では、実際の高宮の手牌はどうだったのか、見ていこう。
678の三色確定、ドラが2枚あり、ダマテンであがっても満貫、ツモは跳満である。
高宮はダマテンを選択したのだが。高宮はこれをリーチする印象が私の中にはあった。
河を見ると、高宮の待ちであるの場況が最強レベルに良く、さらにダマテンであれば全員が打ってくれそうな捨て牌である。
リーチ派は「場況重視」。山にいそうなのでツモ率が高く、倍満を狙いにいこうという思考。
一方ダマテン派は「打ってくれる可能性重視」。
ロンを含めたアガリ率を最大化する選択を取るのが思考の根幹にある。
この思考が高宮の中で変わり、攻撃スタイルに変化があったことを感じられるような局面だと私には映った。