閃光のレフトハンド!
その左手で、
舞田苑香よ夢を掴め
【B卓】担当記者:ヤマサンブラック 2025年10月4日(土)
──人気と実力。
両者は必ずしも比例するわけではないが、プロの世界においてはどちらも欠かせない要素である。
意味深なネーミングの「人気と実力の間」、B卓に出場するのはこちらの4名。

丸山奏子(最高位戦日本プロ麻雀協会)
「まるこ」の愛称でファンに親しまれている丸山。
Xの勝者予想では53.2%と過半数の支持率を得たが、元Mリーガーというだけではなく、これまでに2回のファイナル進出という実績もあってのことだろう。
2年連続のファイナル進出を狙う。

舞田苑香(最高位戦日本プロ麻雀協会)
スポンサーズカップを優勝し出場を決めた舞田。
入場時には、常勤する麻雀BARの店名にちなんだのだろう、利き手の左手に装着した緑色の手袋を口で外していたのが印象に残る。
178センチの高身長が目を引く彼女だが、卓上でもその存在感を見せつけて欲しい。

小宮悠(最高位戦日本プロ麻雀協会)
昨年はファイナル決勝にも進んだ実力者。
インタビューでは、地道な努力を積み重ねてきたことや、もう一度決勝の舞台で戦いたい、またあの景色を見たいと語っていた。
昨年に続きファイナルの舞台に進めるのか、注目だ。

宮内こずえ(日本プロ麻雀連盟)
一番勝ちたいタイトル戦、と最強戦への思いを語っていた宮内は、2021年のファイナル決勝で惜しくも敗れている。
インタビューでは、新しいアプローチで練習に取り組んでいることも明かしていた。
あの舞台に、再び立つことができるのか。
──対局は、東場から打撃戦となった。
注目は東2局。ドラは。
7巡目、親の宮内は受け入れの多いイーシャンテン。孤立牌のに
がくっつきテンパイした。
やはりくっつきを狙い引っ張っていた4枚持ちのを暗槓、リンシャンの
をツモ切り
待ちで先制リーチを打つ。新ドラは
だ。
しかしその2巡後、丸山も追いついた。

を引き打
のダマテン。
待ちのメンホンチートイドラドラ、出アガリでも跳満、ツモれば倍満の大物手だ。
宮内、丸山ともにツモ切りが続く。は残り3枚、
は残り2枚。
はたして、二人の待ちはどこに眠っているのか。
12巡目、を引いた舞田の手が止まる。

少考したのち、のカベでノーチャンスの
を切った。

13巡目、丸山のツモは。
打で、
と
のシャンポン待ちのメンホンイーペーコーに切り替える。
舞田の少考をの対子落としと読んだのか。
は残り1枚、
は残り2枚。
この選択が吉となるかどうか。
のスジである
切り。
か
が重なれば勝負か?

宮内も丸山もツモ切りの14巡目、舞田がドラのを重ね、打
の
単騎で追いかけリーチを打つ。
メンタンチートイドラドラの大物手だ。
は残り3枚。宮内の待ちも丸山の待ちも残り3枚。
……いったい、誰がアガるのか。
観戦する私の息が詰まり、鼓動が早まる。
決着の時は、すぐに来た。
裏ドラは乗らなかったが、リーチ一発タンヤオチートイドラドラ、12000点に宮内のリーチ棒も加わる大きなアガリとなった。
打点も高いが、宮内と丸山の二人に競り勝ったことも価値が高い。
まさに値千金のアガリだ。