熱論!Mリーグ【Fri】
近藤誠一の感性が
導き出す神の手順
そしてオーラスの攻防
文・危険な鬼太郎【金曜担当ライター】2019年10月4日
昨年、Mリーガーの中で一番活躍した人物を一人挙げろと言われれば、私は迷わずに近藤誠一と答える。
50代も半ばになりながらもMリーグでは獅子奮迅の活躍を見せてポイントを伸ばし、さらに自身は最高位というタイトルに返り咲き、年末には最強位も獲得した。
いったい近藤のこの勝負強さはどこから来るのだろうか?そのあたりに注目して観ていきたい。
東2局
二階堂亜樹がをポン!
当然1枚目から亜樹が仕掛けるからには手牌が良いし、打点も見込める。
ホンイツに伸びれば理想的で、役役赤1の3900点でもOKだ。
珍しく3副露もしたものの、をツモ!
1300-2600のツモアガリで亜樹が半歩抜け出す。
去年までの亜樹だったらを1枚目から鳴かずに、2鳴きをしてじっくり攻めていくシーンを何度も観た。今年は守備を少し捨ててトップ率を高める作戦なのかな?と思った。
東3局
近藤がドラのを打つ。
皆さんならばどう打つのだろうか?案外をツモ切りしてしまう方もいるのではないかな?とは思う。がフリテンだ。
だけれど、この手牌だとのフリテンは実は関係がない手牌。
を引けば待ちの即リーチが打てるし、が縦重なりした場合でもカン待ちの6400のリーチが打てる。
巡目としてもドラのをここまで持っておくのは怖い。切るなら今か。
縦重なりはあまり歓迎できないツモだがここでのリーチ!出アガリ3200のリーチだ。想定よりも手牌が安くなってしまったが、リャンメンリーチだと申し分ない。
これに追いつくのは親の鈴木たろう。
近藤の当たり牌のを暗刻にしての追いかけリーチ!
そして一発ツモ!裏こそのらないが2000オール。ここまで不調なドリブンズ。前年度覇者の貫禄をここで魅せてきたか。
東3局1本場
松本吉弘が人とは違う選択を見せつけた。
この手牌でドラのを切る人はそう多くはないはずだ。恐らく多くの人は打を切るはず。
なぜ松本はドラのを打ったのか?それはタンヤオドラ1のリーチかピンフリーチを欲したからだと思われる。
この手牌、理想で言えばを引いての待ちリーチだが、逆に言えば先にを引いてのカンリーチも打点的には大有りな選択。
ドラのとのくっ付きにした場合、を引いてカン待ちのリーチやを引いてのカン待ちリーチを打ちたくないという意思表示か。
同じ愚形リーチでもを自分で暗刻で持っており、場にピンズが安いのでカン待ちリーチの方がマシだと思ったか。
松本だけでなく、近藤も近藤で面白い一打を打ってくれた。
ここでを打ってのめいいっぱいには受けずに打。あくまでも123の三色にこだわっている一打。
も現物という訳でもないので、ソウズのイッツーも同時に睨んでいる。将来的にカンが弱くなった時の保険という訳だ。
ドラのをビシっと引き入れここはリーチ宣言!なんのためにを先に切ったのか。123のリーチを打って跳満をアガリたかったのもあるが、カンの出アガリ率を高めるためだ。
と持っていての方を先に打つケースは中々無い。
これに困ったのが松本。
ここからを打ってしまう。は現物だし、はダブルワンチャンス。だが近藤の捨て牌のが気になる。
単純にと持っていて切っていったのかもしれない。ならば、を切っていてドラのを引きなおしたことだし、ピンフドラ1の復活を狙う。
この放銃はあまりにも痛すぎるが、これは近藤が松本から一本取ったという事だろう。
リーチドラ赤の5200の放銃。
東4局
亜樹がドラの対子で素晴らしい形でのリーチ。
やっぱり女流プロはMリーグにおいて好調だ。亜樹も例外ではないか…?
降りるのが大嫌いな男。鈴木たろうが追い付き聴牌。ここはカン待ちもカン待ちもよくわからない場状だったがすっとを打った。
ここで考えることは自分の都合だけだ。場にが1枚切れ。場にが3枚見えだから、たろうはを切った。