肉厚で激打!吉田、ダンプ、中嶋、宮崎、それぞれの引き出しが光る紙一重の攻防 麻雀最強戦2020「プロ雀士ランキングベスト16大会」観戦記【A卓】

ここで中嶋も注目の選択をする。この手格好だが

直前に切られたダンプのをスルーしている。いくら鳴きが大好きな中嶋とはいえ、七対子も面子手もイーシャンテンのところから1500のポンテンを取ったりはしない。このトップ目の親番で、1500の加点にどれだけの意味があるかという場面でもある。ここは打点を見たスルーだ。

2枚目のは……

流石にポンをした。これをスルーしてしまっては決着巡目が遅くなり、結果高打点の親被りなどを引き起こす可能性が高くなる。緊急避難的なポンテンだ。

これに飛び込んだのが吉田。結果として中嶋は見事に吉田の勝負手をつぶす、値千金の1500をアガることに成功したと言っていいだろう。

【東4局1本場】

再び吉田に勝負手が入る。

高めなら一気通貫、安めでもドラドラの勝負リーチだ。

これを受けて面白い選択をしたのはまたも中嶋。

リーチを受けて守備に回りつつ、最終手番にテンパイ。は無筋だが、ここは……

押した!トップ取りの半荘ゆえに、ここは多少のリスクを負ってでも和了・テンパイ料・親番維持に期待した選択だ。

【東4局2本場】

またまたしても先制テンパイは中嶋。

リーチのみだが早い巡目の良形。この巡目では押し返せる手の人も少ないかと思われたが……

吉田がダマで満貫の現物待ち!

ダンプが確定三色のリーチでぶつける!

早い親リーチと高打点のぶつかり合い。まさにこの半荘の運命を決定づける天王山となる一局だが、決着は……

ダンプが一発ツモ!裏ドラも一枚のっけて跳満のアガリだ!

これで一躍トップ目に躍り出た。東場はリーチ棒すら出さず、ひたすら放銃なしでツモアガリに耐えていたダンプ。守備から一気に捲る、肉厚ヨロイ打法炸裂といったところだろうか。

これで激しい東場が終了。鳴いても笑ってもそれぞれ親番を1回ずつ残すのみとなった。

【南1局】

宮崎もこの親番で決めなくては男が廃るというもの。

力強い配牌と引きで4巡目テンパイ。出アガリ12000の超勝負手だ!

時間こそかかったがこれをツモ!裏ドラが乗れば大きかったがここは乗らず、とはいえ4000オールの収入は戦線復帰のアガリと言っていいだろう。

続く南1局1本場でも、宮崎は2枚切れのカンで三色の勝負リーチに出る。これが決まればそれこそ決定打だが……

それを許さないと追っかけたのが吉田。が2枚見え、が3枚見えの現物待ちだが平和ドラ1の勝負手としてぶつけていく。

決着は……

なんとダンプのツモアガリ!!しかもフリテンのカン!!

押して受けて、様々なテンパイを崩しながらも何とかたどり着いた最終聴牌系を見事にアガり切ったダンプ。肉厚ヨロイ打法の真骨頂は、吉田と宮崎の心を折るには十分な上がりと言っていいだろう。

【南2局】

それでも最後まであきらめない吉田。

親番で、執念のメンホンイーシャンテン。高打点アガリなら後方から一気もあるか。

次巡引いた。ここは……

!!一気にメンチンまで向かった!!

受け入れだけなら打が一番広いが、4000オールツモや12000出アガリでは二の矢三の矢が必要になる点差。ここは6000オール、8000オールまで見た激打脳震盪攻撃を決めにかかる。

次巡引いたのは!これで待ちの、ツモって倍満テンパイだ!

仮に前巡を切っていれば、ここで片割れのが2枚切れのシャンポンに取ることしかできなかった。見事に選択を正解させた吉田だったが……

ダンプが身一つで躱す!!

平和のみの1000点だが、本当に大きな1000点。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀新刊&おすすめ/