大海原に咲く一輪の桜 朝倉康心と岡田紗佳、長い冬を超えた2人の戦士【熱論!Mリーグ/FS3日目】担当記者:真中彰司

できるだけ安全な牌を打って、粘り強くテンパイチャンスを待つ。

このリーチも流局し、膠着状態が続く。

東2局2本場

長い冬を耐え忍ぶ朝倉に、またもチャンスがやってくる。

絶好のツモでイーシャンテン。

直後にを引き入れ、渾身のリーチを放つ!

待ちはやや薄かったが、僥倖の一発ツモ!

3000-6000で供託も回収し、一撃でトップに躍り出る。

東3局

親番の多井。しれっとした顔で打ち進めているが…

実はドラ3内蔵の大物手!

打点は十分、張った形が最終形。カンでリーチを打つ!

朝倉も黙ってはいない!いや、ダマテンではあるのだが。

三色・赤1のカンで猛然と押していく。

しかし、バッチバチの2人の間に割って入ったのが近藤。

冷静なダマテンで2人の大物手を潰し、局を流した。

東4局

親番の岡田。悪くはないが良くもない、微妙な配牌。

この局は前に出たい。というか、出るしかない。

一呼吸おいてツモ動作に入る。

7巡目でイーシャンテンまでこぎつけるが、岡田の浮上を簡単に許してくれるメンツではない。

多井が最初にテンパイを入れる。

親番ではなく、待ちは自分で3枚使っているのノベタン。

完全に私見だが、多井がこの状況とテンパイ形でリーチを打つイメージは全く無い。

しかし、ここはMリーグファイナル。トータルトップ以外意味が無い最終決戦だ。

そして手牌の主は多井隆晴

このような状況を幾度となく制し、勝ち方を熟知しているYoutuber最速最強の雀士だ。

自分は3着目。タンヤオと赤で打点は十分。

なおかつ、現状最下位のサクラナイツが前に出ざるを得ない状況を考慮して…

多井はリーチを選択した。

リーチをしたということは、放銃するリスクも覚悟したということ。

多井の顔は険しい。

「親リーチだけが怖いな

心配そうな顔をする多井に、岡田が大きく腕を振りかぶる!

「リーチ」

「え、もう追っかけリーチ来るの?ヤバい!」

しかし、岡田の手牌から押し出されたのは

多井が完璧なリーチ判断で8000点のアガリを生み出した。

安堵する多井に対し、岡田は清々しい表情をしている。

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