もう迷いたくない…屈辱をバネに進化し続けた360日後の丸山奏子【Mリーグ2020観戦記10/23】担当記者:masasio

丸山にドラ暗刻のチャンス手。

ピンズでイーペーコーができており、チートイツもある。

かなりアガリに近い手だ。

すぐにテンパイ。

待ちが良ければリーチも考えられるところだが、引いてきたのは

カンのテンパイだ。

解説の渋川難波プロが「これはダマテンですね」と言い終わるのが早いか、気付いたら白が横に曲がっていた。

「リーチ」

・・・

―おかしい

この辺りで、この半荘うっすらと感じていた違和感が姿を現してきた。

丸山の打牌のテンポが良すぎるのだ。

正直なところ、昨シーズンの丸山はお世辞にもテンポが良いとはいえなかったと思う。

ある牌を切ろうとしては、思いとどまって別の牌に触る、というような迷いが見られる場面も多々あった。

 

昨年12月13日の試合ではカンをするのに約1分。

その後追っかけリーチを打つのにも約1分という大長考をしたのは記憶に新しい。

参照記事:鈴木たろうでも止められない赤坂ドリブンズ今そこにある危機”https://kinmaweb.jp/archives/94215

泣きそうになりながら、チームを背負って打つ丸山の姿に胸を打たれたのは間違いないが、

冷めた目で見れば、リーチを掛けるのをただ迷っているだけに見えたのもまた事実だ。

そんな丸山が、あのテンパイを迷わずにリーチ。

もちろんリーチの判断自体も非常に驚いた。

トップ目、役アリ、愚形、ドラ3

ダマにする理由はたくさんある。

手替わりだって豊富とは言えないが、もちろんある。

そのような状況でのリーチなので当然驚いたが、それよりも、あの丸山が迷わずリーチに踏み切ったことに驚いたし、そしてなんだか嬉しくなった。

丸山の気合が牌に伝わったわけではないだろうが、ほどなくしてツモアガリ。

3000/6000の3本場で後続を一気に突き放すことに成功した。

対局後に丸山はこのリーチについてこう語った。

「黒沢さんのトイツ落としを見て、(押さえつけるために)リーチしようか迷っていたらテンパイしたので勢い余ってリーチしちゃいました。でもそんなに悪いリーチじゃないなと思いました。」

想像するに、丸山はシーズンオフの間、相当な数の実戦をこなしたのではないだろうか。

あのそうそうたるドリブンズのメンバー達と、数えきれないほどの実戦を。

その経験が血となり肉となり、直感的に打たせたリーチのように感じた。

丸山のアガリに火をつけられたのか、黒沢も凄いアガリを見せる。

赤赤ドラの手牌なのにをスルー。

さらに12000テンパイとなるのチーもスルーしての4000オールのツモアガリ。

セレブとしか言いようのないアガリで丸山を追いかけるが、反撃もここまで。

勝負はオーラスへ。

41本場

数々の大逆転を演じてきた沢崎の親番。

この親を無事終わらせれば、丸山のトップだ。

 

まずは沢崎が仕掛けてテンパイ。

でチーしており5800点だ。

そしてマンガンツモで2着になる多井も満を持してリーチ。

ドラが雀頭のリャンメン。

きっちり逆転手を作ってきている。

仕掛けとリーチに挟まれた丸山の判断も早かった。

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