最初にテンパイを入れたのは近藤だった。リーチのみの手。近藤は123と234の三色の手替わりを見てダマテンに構えた。
7巡目に、
を引いた!これでリーチか?
「リッチ!」
四度目の正直。親の村上からリーチがかかる。
これを受けた近藤、
まだ我慢! が現物でアガれるので今度はかわし手としても見ることが出来る。そして最高形への道は閉ざさない。これが近藤誠一のバランス。
この局アガったのは、
近藤だ!ツモ、500-1000は700-1200のアガリ。
テンパイ時、アンコ時、そして村上のリーチを受けてと3回リーチを打つタイミングがあった。私は役がないので最初のテンパイでリーチをしてしまうだろうが、それは近藤誠一の麻雀ではない。今まで築いた伝説のアガリの数々は、近藤誠一の「最高形へ伸ばす」打ち方から生まれたものだ。
思えば、東2局も、
リーチ者である上家の白鳥がを切ったとき、近藤はチーテンをとらなかった。リーチの現物である待ちになるのでチーして2000は2300+リーチ棒2本のテンパイをとる方も多いだろう。私もとる。
ただ、長いリーグ戦の序盤で近藤誠一がこのに声をかける姿は、私には想像できない。
忘れもしない2019のセミファイナル、
2件リーチの中でも近藤は、満貫テンパイのをスルーする打ち手なのだから。
今対局に話を戻すが、南3局、近藤にチャンス手が入る。
4巡目、近藤はを引いてを放つ。ソウズが伸びたらピンフに向かって打とするコースも残し、
このようにを先に引いたらシャンポンでリーチ! の先切り効果での出アガリも狙えるといった二段構えの一打だ。
近藤のリーチがかかり、親番の白鳥は、
両無筋のを打ち抜き、
今季は先日の瑞原、この日の白鳥と守備寄りの印象があった選手が押し気味にバランスを変えてきているのを感じている。シーズンオフの間に研究と練習を重ねて、自分が思う「あるべきバランス」にシフトチェンジしたのではないだろうか。
「ロン」
親番の白鳥が迫ってきた。トップ目の本田は、
南3局1本場、をポンして勝負に出た。
本田が切ったのは、
だった。これもストレートで良い打牌だ。を切るとテンパイするのはの16枚。そして全てに仕掛けが効く。
を払っていって二度受けに構えつつ、1枚余剰牌を持って好形変化に期待する打ち筋もある。(例 )
ただ、ペンチャンを払うと瞬間のテンパイ枚数は8枚とグッと減るうえ、とのポンテンが効かなくなってしまう。
打としてポンテンも含めてのテンパイ速度を上げつつ、ツモも嬉しいペンチャン部分を残して進めるのがいいのではないだろうか。
この仕掛けを、
安全牌を持たずに目一杯構えた本田、中盤にテンパイを入れて、
村上からとらえる。村上もこの辺りで余剰牌を安全牌と入れ替えておきたいところ。仕方のない放銃であろう。
赤ドラ3900は4200をアガり、本田は白鳥の親を流すことに成功。
オーラスは、
村上が近藤をマクる、リーチツモピンフドラ、1300-2600のアガリを決めて試合終了。
雷電は開幕3連勝。本田はMリーグデビュー戦を白星で飾った。