eMAH-JONGで、
麻雀は新たな時代へ
23歳の新鋭・
にちねこが初代王者に輝く
eMAH-JONG 麻雀格闘倶楽部 プロトーナメント決勝 観戦記:東川亮
数々の熱い闘牌が行われてきた「eMAH-JONG 麻雀格闘倶楽部 プロトーナメント」も、いよいよ決勝戦を残すのみとなった。メンバーは、以下の4名。
白鳥翔(日本プロ麻雀連盟)。
Mリーグでも活躍するこの男は、硬軟自在、まさにハイブリッドな麻雀を打つ。決勝の舞台でも、多彩な手組みで相手を翻弄できるか。
瀬戸熊直樹(日本プロ麻雀連盟)。
「卓上の暴君」と恐れられ、勢いに乗ったときの猛連荘は、アガリ連荘のこのルールだからこそさらに真価を発揮する。
てな(ワンチャンス枠)。
「猪突猛進リーチ」の異名に恥じぬリーチ攻勢だけでなく、状況に応じたダマテンも使い分けて決勝進出。初代王者まで、一気に駆け上がれるか。
にちねこ(U-25枠)。
若干23歳のこの男は、予選から要所を締める鋭いアガリと堅い守備力を発揮、唯一の3連勝で決勝へと駒を進めた。
勝ち上がった顔ぶれは、年齢、性別、実績共に多種多様。まさに、本大会にふさわしい決勝となりそうだ。なお、決勝は2半荘制のトータルポイントでの勝負。半荘ごと に、トップは+5000、4位は-5000の順位点が設けられている(2位・3位は順位点なし)。2戦目のトップ者は、トータルトップのときのみアガリやめが可能だ。
■決勝1回戦「序盤の加点と堅実な守り、にちねこが逃げ切って初戦を制する」
東家:てな(ワンチャンス枠)
南家:にちねこ(U-25枠)
西家:瀬戸熊直樹(日本プロ麻雀連盟)
北家:白鳥翔(日本プロ麻雀連盟)
東1局、にちねこはが重なっての、2600テンパイを取らなかった。1手変わりで役役ホンイツの満貫、ここで2600をアガったところで、たいして状況が有利になるわけではない。アガれるチャンスがあれば大きく上がろうという、トップしか意味のない決勝仕様の打牌に見える。
狙い通りの満貫テンパイに仕上げ、単騎待ちをツモ。まずはにちねこがリードを奪った。
にちねこには次局も興味深い一打が。3巡目の打は123の三色を消す一打。
を重ねると、を鳴いて打。リャンメン受け1つ、シャンポン受け2つの1シャンテンにとる。こうしておくと、ピンズの好形変化にも対応が可能。
ドラが鳴けてのシャンポン待ちテンパイ。おそらく、切りのところから待ちの最終形の構想を持っていたと思われる。
役なしテンパイを拒否した瀬戸熊のを捉え、5800のアガリ。決勝もにちねこペースで進むのか。
東4局。
前局で2000-3900のツモアガリで加点していた白鳥。この局ではわずか4巡でタンヤオドラ1のテンパイが入るが、のシャンポン待ちは採用しなかった。アガリ連荘ルールの親番、アガれる形はとりあえず取っておきたいところに思えるが、マンズの好形変化やくっつきの方に重きを置いたということだろう。が2枚ある分、ピンズくっつきは通常のルールよりやや価値が高い。
のシャンポン待ちテンパイは、理想とは言えないまでもどちらも自身のスジで、出アガリが期待できる待ちになっている。ここはリーチと打って出た。
だが、ここはテンパイを入れたてながソーズ無スジを3連打、最後はチーしてテンパイをとったにちねこのを捉え、打点こそ2000と安いものの、価値のあるアガリを手にした。やはり決勝、どこかで攻めなければ勝利は得られない。
その後は瀬戸熊が白鳥から満貫をアガり、迎えたオーラスはてなが順位点を失う4位を回避する、2000のアガリ。トップ目にちねこからの直撃ではあったが逆転には至らず、にちねこが初戦のトップを獲得。だが、全員が2万点台での決着となっており、勝負の行方はまだまだ分からない。
1位:にちねこ 28800点(+5000)
2位:てな 26600点
3位:白鳥翔 24000点
4位:瀬戸熊直樹 20600点(-5000)
■決勝Final Match「にちねこが歩む、eMAH-JONG初代王者への道」