研ぎ澄まされた強者の読み 四者がそれぞれに示した麻雀の深淵 #麻雀最強戦2024【読みの神髄】観戦記【B卓】文 #髙倉拓馬

研ぎ澄まされた強者の読み

四者がそれぞれに示した麻雀の深淵

【B卓】担当記者:髙倉拓馬 2024年8月4日(日)

 

東家:園田賢

南家:HIRO柴田

西家:白鳥翔

北家:前田直哉

 

結果から先に申し上げると、

東1局でリーチ、ツモ、役牌、ドラ2の4000オール、

さらに2本場でリーチ、ピンフ、ドラの5800は6400をあがった園田賢がアドバンテージを上手く利用し首位通過。

南3局1本場、あとが無いラス目の親番でリーチ、ツモ、七対子、ドラ2をあがった白鳥翔が2位通過を決めた。

しかし、3時間弱にもわたる激闘の中には、このアガリだけでは片づけることの出来ない精緻な読みが存在していたのである。

今回は、この最強戦「読みの神髄」B卓をご覧になっていない方々や、再度見て読みの勉強をしていきたいと思っている方々へ向けて、4者の読みが上手くはまった場面を紹介していきたい。さらに、この読みを深める要素として、解説の勝又健志プロの存在を忘れることはできない。今回は私が説明するだけでは恐れ多いので、ぜひ解説の言葉も合わせてご覧いただきたい。

 

HIRO柴田プロ編】

1.相手との速度感を測る手組み

勝又は、この4人の読みの方向性が違うと解説し、他3者を「手牌構成、山を読み、アガリ率の高い選択をしていく」と言ったのだが、HIRO柴田のことは「展開を読んでいくプロ」と評したのである。その読みがもっともあらわれていたと感じたのは東1局

6巡目でこの手牌。456の三色、白暗刻が狙える手で、ドラの3pも使いやすい形。ここからHIRO柴田は打【4ピン】とした。一見【白】をロスしているが、

①下家の白鳥が変則手気味で【白】がある可能性がやや低い

②打点、安全度の観点から、この手牌から【白】をポンする気がない

③最終形が【白】【4ピン】のシャンポンになることがなく、ソウズが頭になれば【白】受けが復活する

 

この観点から、全員に対して危険になりそうな【4ピン】を先に処理し…

安全に押し返すことに成功した。

結果としてこの局は園田のあがりとなったが、相手との距離感を読む手組みが光った1局であった。

 

2.イーシャンテンからの押し返し

抜けたトップ目の園田から【6マン】【9マン】のリーチドラ3がかかる。

【7マン】をポンしてホンイツに向かったHIRO柴田【6ソウ】を持ってきて手詰まる。

実況、解説誰もがワンチャンスの【9マン】を一発で打って放銃すると思っていたところだったが、HIRO柴田【白】を打った。

勝又は【白】を打った後、「抜けたトップ目の園田は、【白】のシャンポン待ちならばダマテンに構えるのではないか」と解説する。さらに、

「白鳥はソウズのホンイツ模様で、ソウズで待ちを合わせるのもあまりやりたくない。良いリャンメン待ちのことが多いのではないか」と言った。実際、【6マン】【9マン】【7マン】がポンされているのでかなり良い待ちの部類に入る。

上記の読み、そして清一色になり手牌価値が上昇したことから、【6ソウ】をプッシュ。

さらに、【5ピン】が対子になったが、

これもプッシュ。

【5ピン】が4枚見えていて、ピンズの複合系で当たりにくいことも影響していたのかもしれない。

園田も思わず背筋が伸びる。

結果はあがれなかったが、読みで放銃を回避して押し返しに成功した1局であった。

 

【前田直哉プロ編】

1.相手の高打点仕掛けに対する押し引き

白鳥が【5マン】をポンして打【北】。自分はイーシャンテンでこの手牌である。

勝又は「この白鳥の仕掛けは、手出しが入れば入るほど高打点の割合が増える。遠いところから仕掛けているのであれば、打点は高くなりやすい」と解説している。

実際白鳥の手牌は仕掛けた時点でドラ2枚所持。前田の手牌、形は良いが自分の打点が見合わないと判断。巡目の兼ね合いもあってここでオリを選択。

一方次の場面。白鳥は【發】をポンして打【1ピン】。かなりホンイツに見える仕掛けだが、ポン以降手出しは入っていない。

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