【 #神域リーグ2024 第28試合観戦記】結果だけが、全てじゃない #長尾景 が見せた 成長の証【文 #後藤哲冶 】

長尾が少しでも点棒を回復するべく、【發】を暗刻にしてリーチへ。
マンズの変化を待ってダマテンにする選択もあるが、今回の場合、既に【9マン】を切ってしまっているため、【8マン】引きでの三面張がそこまで嬉しくない。
であれば、このカン【3マン】でリーチは悪くない選択。

「いくしかないよねえ! 」

しかしそこに追い付いたのが桜だった。ドラを3枚従えてのリーチ。
ドラの【5ピン】をツモれば跳満の大物手。トップを狙う桜は当然リーチに打って出る。

今日の長尾は、とことん運に見放されていた。
なんとよりにもよって一番高くなる赤【赤5ピン】を持ってきてしまい、放銃。
えるといい、桜といい、普段は同事務所の仲間でも、卓を囲めば全員が敵。
容赦なく長尾の点棒を奪い取っていく。

南2局

長尾の最後の親番がやってきた。
点棒はハコ下17000点。しかしこの局の配牌から大物手の香り。

「なんかヤバイの来た。 こんなん行くよ俺は」

配牌で暗刻が1つ、対子が4つ。
役満、四暗刻のリャンシャンテン。長尾はもう普通のメンツ手には戻らないと決めて、【2ソウ】から。
【3ソウ】の受け入れなど、いらないということの証。

【2ピン】を引いてイーシャンテン……!
明確に匂い立つ、役満の香り。

公式配信もにわかに色めき立つ。
この時、実は長尾が欲しい【6ピン】【4ソウ】【北】全てが山に眠っていた。
待ちが少ないとされる、シャンポン待ちの牌が、全て山にいる……!

しかし先制リーチが桜から入ってしまう。

「知らん知らん。 なんも知らん」

当然長尾は押していく。
ハコ下まで沈んだ最後の親番。ここで引く理由が無い。

「来い来い来い来い……! 頼む! 」

最後に訪れたチャンスに、長尾が必死で手を伸ばす。

引いた……!
【6ピン】【北】のシャンポン待ち……!
ツモれば役満、四暗刻
待ちは4枚全て残っている。

どんなに強い麻雀打ちでも、できるのは、ここまで。
後は願うしかない。どうか、ツモらせてくれ……!

そんな、長尾の願いは。

「あああ~! 俺の四暗刻がー! 」

ただの一度もツモることすら叶わず。
泡沫の夢と消えてしまったのだった。

トップには、桜凛月。

長尾の夢を打ち砕いた跳満が決め手になり、見事なトップ獲得。
もちろん運もあったとは思うが、桜の成長には本当に目を見張るものがある。
セミファイナル以降での活躍にも期待だ。

2着にえる。
惜しくもトップとはならなかったが、これでヘラクレスとの差を大きく詰めることに成功。
十分な仕事をしたと言えるだろう。

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