海賊女帝の追撃を振り切れ 全速前進・菅原千瑛【Mリーグ2024-25観戦記 1/20 第1試合】担当記者 #東川亮

海賊女帝の追撃を振り切れ

全速前進・菅原千瑛

文・東川亮【月曜代打担当ライター】2025年1月20日

 

第1試合

東家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)

南家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)

西家:浅井堂岐(セガサミーフェニックス)

北家:菅原千瑛(BEAST X)

 

大和証券Mリーグ2024-25、1月20日の第1試合。

最初の見どころは、東1局1本場

この局は菅原がマンズの部分を好形に整えて【4マン】【7マン】待ちの先制リーチをかける。

これに対し、多井も高目三色の【3ピン】【6ピン】待ちリーチ、

さらに瑞原も【4ピン】【7ピン】待ちで参戦。

熱い3軒リーチのめくり合いは菅原がツモって裏1のハネ満に仕上げた。

チーム状況的にトップは必須の菅原、このアガリは大きい。

東2局、瑞原はカン【4ピン】待ちのテンパイを取らなかった。

役なし愚形残りでテンパイ自体の価値は低い。【3ピン】切りはピンズの一気通貫やソーズを好形に変化させてのテンパイが期待できる。

【中】をポンするルートもあったが、暗刻になればなお良し。待ちも打点も先ほどとは雲泥の差、これでリーチだ。

ドラ3の菅原も追いつくが、瑞原が赤でツモって満貫

次局も瑞原が先制リーチの堂岐から追っかけリーチで満貫を直撃、試合は女性選手2名によるマッチレースのような展開となっていく。

東4局、親の菅原が第1打にドラ【北】を重ねてダブ【東】を切ると、4枚目の【6ピン】を引いて暗槓、完全なる攻撃シフトだ。

新ドラの【5ソウ】を赤で引いてますます勝負手に変貌、こうなれば目いっぱい。

テンパイし、即リーチ。ドラが1枚出ていくがそれでもドラ4、ツモればハネ満スタートの大物手。

瑞原も役ありテンパイになったが、ここは取らず。【6ピン】暗槓で待ちが【9ピン】のみ、他者から打たれそうに見えるが、さすがに【5マン】切りのリスクとリターンが見合わないという判断か。

このリーチを菅原がツモ。裏ドラこそ乗らないものの、親のハネ満はトップ目からの追加点としては申し分ない。あとは局を回すだけ・・・とは言え、なかなか簡単にはいかないのがMリーグという舞台でもある。

南2局、菅原は【3ピン】【6ピン】待ちのリーチで多井から1300を出アガリ。役なしだがリャンメン待ち、形で勝負という意味では、ノーマルな選択だと思う。

だが、これはどうだろう。南3局、ペン【3ピン】待ちでリーチをした選択だ。前もって決めていたか、即座に決断したか、いずれにしても時間は全くかけなかった。

点数状況を見れば、ラス目の親の反撃が来るのは濃厚。自身がドラ1とはいえ見えていないドラが6枚もあり、押し返しが来たときは満貫・ハネ満クラスということも十分考えられる。一手変わりでタンヤオになることもあり、ここはいったんダマテンで様子を見たり、テンパイを外して好形を求めたりする打ち手も多いかもしれないが、菅原が積極的に攻めた。

もちろん、堂岐は引ける状況ではない。ペン【3ソウ】待ちで追っかけリーチ。

もし菅原がダマテンにしていたら、このリーチに【6マン】を暗槓できていたか。

【6ピン】を、【2ソウ】【5ソウ】を切れていたか。

退路を断った菅原に、牌の巡りが味方する。堂岐が【3ピン】をつかみ、裏ドラは乗らずとも菅原は3200を出アガリ。

これで2番手の瑞原は、ハネ満直撃・倍満ツモでも届かなくなった。いかにMリーグルールとは言えほとんどトップは確定。菅原としては、あわよくばここからさらに素点を稼ぎ、少しでも多くのプラスを持ち帰ろうと意気込んでいたはずだ。

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