苦悩のデビュー戦
文・坪川義昭【金曜担当ライター】2025年9月19日
第2試合

HIRO柴田(日本プロ麻雀連盟)
第39期鳳凰位、第13・14期麻雀グランプリMAX、第1期達人戦等の獲得タイトル多数。
今現在も連盟最高峰の鳳凰位戦A1リーグに所属し、長年に渡りタイトルを獲り続けた男が遂に今年、新規参戦チームのEARTH JETSからドラフト指名を受けた。
ここ数年、ドラフトが開催される度に次の本命とされていたが、声がかからず悔しい思いを続けてきたのである。
勝ち続けることだけが、自身にできることだと言わんばかりに結果を残し続け、遂に目標であったMリーグのデビュー戦に挑む。
完全に機は熟している。
この舞台でも、勝ち続けることがHIRO柴田にとっての役目なのだ。

西家:HIRO柴田(EARTH JETS)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN/雷電)


東3局2本場
溜まった供託の3,000点を回収するべく、白鳥がを早々に仕掛ける。


速度を合わせるように親のHIRO柴田も、1枚目のリャンメンからチーを入れ、目一杯に構えた。
一見珍しい仕掛けのように見えるが、簡単に供託を奪われるわけにはいかない。


白鳥が2フーロ目を入れてテンパイを果たす。
後は絵を合わせるだけだ。

すぐに待ちを2枚切れの単騎に変えて、ホンイツのオマケも付いてきた。
他家にとって、止めようにも止められない待ちである。

一向に手が進まないHIRO柴田はここで撤退を余儀なくされ、流局を願うこととなる。

後方から待ち構えていた黒沢にテンパイが入ると、意を決したようにリーチ宣言をする。
入り目が三色にならない不満なリーチではあるが、役がないならば曲げざる得ない。

これを見事にツモアガリし、裏ドラも乗せて2,000-4,000を決めた黒沢が頭一つ抜け出す。

東4局
ここまで苦しい展開のHIRO柴田に、勝負手が入った。
すぐにを仕掛けてアガリを拾いたいところだが、この
がなかなか顔を出さない。

更に赤を引き入れ満貫確定となり、盤石の形で待ち構える。
フリテンの引きでも構わない。

ここでもリーチを放ってきたのは黒沢だ。
タンヤオが消える入り目ではあるものの、親でリャンメンドラ1ならば及第点といったところ。


黒沢がリーチ後にツモ切ったを叩いてHIRO柴田がテンパイを取る。
しかし、テンパイ打牌のが御用となり3,900点の放銃。
点数以上に、勝負手のスピードが間に合わず、捲り合いに持ち込めないことが痛い。
