勝ち切る覚悟―鈴木優が見せた卓上の支配【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 10/9 第1試合(麻雀チャンネル)】担当記者 宮水さくら


そして【8ピン】をツモ。タンヤオドラ赤 1000-2000。


ここまでで既にほぼ勝負を決めたようにも見えるが、優は点差を見ない。
ただ、今この瞬間に最善を尽くす。それが彼の麻雀だ。

南2局

親番を迎えた鈴木優が、またしても先手を取る。
チートイツ【8ソウ】単騎リーチ。


単騎待ちでリーチに行くにはかなり勇気がいるがこの親番でもまだまだ点数を稼ぐぞ、という気合いが感じられるリーチだ。ここから怒涛の加点ラッシュが止まらない。
結果は再びツモアガリ。


リーチツモタンヤオチートイ の4000オール。
優の持ち点は一気に56600点。会場には“圧”のような静けさが漂う。

南2局1本場

まだまだ優の勢いが止まらない。
優は今度、【4ソウ】【7ソウ】受けの【4ソウ】【赤5ソウ】含みで両面チー。

すぐに【5マン】を引き入れ、【3ソウ】【3マン】待ちのタンヤオドラ赤でテンパイ。


その後仕掛けをいれた三浦から【3ソウ】がこぼれ、5800は6100のアガリに。


多くの人が、仕掛けるならマンズのところから、と思ってしまうが、このリャンメンから仕掛けを入れてしっかりアガリに結びつけた。優にとっては当たり前のチーなのだろう。

南2局2本場
今度は内川が【5ピン】【8ピン】待ちの先制リーチ。


しかし優の勢いはここで止まらない。カン【3ピン】を引き、【4ソウ】【7ソウ】待ちの追っかけリーチ。


リスクを恐れず、攻め切る姿勢。これぞ“攻撃麻雀”の象徴だ。
結果は優のアガリに。リーチタンヤオ平和ドラ1 12000は12600のアガリに。


内川、三浦の親が残っているものの、優のリードは盤石となり、卓上は完全に優に支配された。

南3局

親の内川が【2ソウ】【5ソウ】待ちでリーチ。


しかし、優の手も止まらない。
【中】を仕掛けていた彼は、さらに【4マン】をポンしてホンイツトイトイのテンパイ。


親リーチの現物を2枚消費するので仕掛けにくい所だが、優は一歩も退かない。
待ちは【南】【8マン】【南】でアガると12000の打点が見える形だ。
そしてその【南】を、親の内川が掴む。


【南】【中】ホンイツトイトイ 12000のアガリに。

優は最後まで攻めの姿勢を貫き、今シーズン2度目となる100ポイント越えの特大トップを決めた。

南場に入っても衰えぬ攻撃本能。
リードしてなお、攻め続けるその姿に、鈴木優という打ち手の本質が見えた。
「勝つこと」よりも、「勝ち切ること」。
卓上の空気を掌握しながら、堂々とトップを取り切った一戦だった。

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