多井隆晴、
ABEMASの頼れる
リーダー
文・坪川義昭【金曜担当ライター】2025年10月17日

第2試合
東家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)

多井は燃えていた。
1戦目に登板した日向が苦しい箱ラスに沈んでしまい、直近3試合はチームメイト3名全員がラスを引いている。
チームポイントも▲169.8pにまで膨れ上がってしまった。
渋谷ABEMASはMリーグにおいて、人気実力共にトップクラスの主人公的チームであり、レギュラーシーズンで躓くことなど許されない。
チームを救うべく、絶対的リーダー多井の登場である。
東1局

好配牌のたろうが3巡目にリーチを放つ。
ツモれば三暗刻の大物手だ。
アガリ牌は山にごっそりと生きている。

負けじと好配牌を貰っていた多井もリーチを無視して前へ出る。
そもそも3巡目リーチに安牌など用意していない。


すぐに掴んだで3,200点の放銃となった。
チームの不調を体現するかのようなスタートである。
東3局1本場

親のたろうが3巡目にドラのを場に放つ。
手牌はそれほど充実しているものではないのだが、他家にとっては大きなプレッシャーとなる。


多井も赤が2枚ある手だが、たろうへの安全牌を持つためにドラペンチャンを払っていけず、窮屈な手組みになってしまった。


タンヤオに寄せていきたい手牌だが、たろうの河が強く以外の安全牌はなかなか増えてこない。

こうして引かされるがなんとも恨めしい。
たろうのツモがもたつき、リーチときていないのが不幸中の幸いである。

守備的に打ち回していたが、まさかの多井が先制リーチ。
が山にいるかは不明だが、このテンパイが入ったならばリーチ以外の選択肢はない。

このを手元に手繰り寄せ、値千金の2,000-4,000のツモアガリ。
多井が先制パンチを決めた。
南1局1本場


微差のトップ目で南入した多井はを残して
切りとした。
なんとも守備的な多井らしい選択だ。


場に3枚目のが切られると、すかさずチーテンを入れる。
は3枚切られてしまっているが、誰が掴んでも切られる牌である。

ラス牌のをあっさりと自身で引きアガリ、300-500。
少しずつゴールテープが見えてきた。