麻雀最強戦2019
歴代最強位代表決定戦
大舞台だからこそ繰り出す
「魅惑の奇手」
土田浩翔の真骨頂とは…⁉︎
【A卓】担当記者:渡邉浩史郎 2019年12月1日(日)
歴代最強位代表決定戦!
“最強”という称号を、一度のみならず再びその手中に収めようとする貪欲な選手たち。
A卓にはその中でも歴戦の古兵が集うこととなった。
ビリーヴ打法、片山まさゆき!
記念すべき第1期の最強位で、「スーパーヅガン」「ノーマーク爆牌党」「打姫オバカミーコ」などの数々の名作麻雀漫画を生み出してきた。
平成元年に最強位を獲得した男が、令和元年に最強位返り咲きを狙う!
トイツマスター、土田浩翔!
第9期の最強位で、選手・解説としてもその独自の麻雀観で非常に有名だ。
最近ではMリーグの解説でも話題になっている。
「大きなタイトルを取った瞬間に打ち手は引退する」と、並々ならぬ決意で挑む土田。因縁の最強戦の舞台で有終の美を飾ることとなるのだろうか!?
デジタルの申し子、長村大!
第11期の最強位で、23歳(今の自分と同じ!)という若さでこの称号をつかみ取った。一度はプロを辞めたものの、近年になってキンマweb上にて観戦記や麻雀小説「中央線アンダードッグ」を執筆したことで再び注目を集めている。
一度はやめたプロの世界、かつて大きな夢を掴んだ舞台で、今再びの栄冠を手にすることはできるのか!?
マムシの沢崎、沢崎誠!
最強戦2013の最強位。もはや麻雀界隈で名前が出ない日はないと言っても過言ではないほど。Mリーグでの活躍の目覚ましさはキンマweb読者の方々には語るまでもないだろう。
Mリーグの勢いそのままに、最強戦連覇まで見据える!
そんな四人の対局を見ていこう!
【東1局】
まず自分の世界観を見せつけたのは土田。
配牌から暗刻を崩す打!この手をもらったら789の三色以外ではアガらないという強い意志を見せてきた!
を切ってお茶を濁すことすらしないこの一打に解説陣も驚愕!早速の土田ワールド展開だ!
これに負けじと長村。親番で、ここはカンのリーチに踏み切った。
役無し・ドラ無しで、土田の河がソウズのホンイツに見える中でのソウズの愚形待ちだが、ここは親番の先制リーチであるということを強く意識した。デジタルの申し子と言われた長村の雀風がこのリーチからも分かるだろう。
アガることこそできなかったものの、子供三人を降ろして一人テンパイ。あの手牌から考えれば、アガリと同じくらい嬉しい結果であろう。
【東1局1本場】
土田ワールドが全開だ。
ここで七対子に固定する打。、当たりを切って面子手との天秤にかけることをせずに、後に危険になりそうな親の長村の間4軒を処理した。七対子を好む土田らしい一打と言えよう。
実は土田、配牌からタンピン系の伸びをあまり見ずに打としていた。これには土田が所属していたという雀鬼会の教え、「第一打に字牌を切らない」に影響を受けているのもあるのだろうか。
ここで打。赤牌がないルールでを残しているのも土田オリジナルだ。
土田の麻雀観の中に「筋対子理論」というものが存在する。14や25など、手牌にあって筋になっている牌の片方が対子ならば、もう片方が自分のツモ筋にいて対子になりやすいという考えだ。
真偽のほどはわからないが、こうした大舞台でも自分の麻雀を曲げることなく打ち進めている土田には、これまで自分はこうして勝ってきたのだという自信が感じられた。
しかしこの局は全員がテンパイをしない膠着した状態で捨て牌の3段目を迎える。
最初にテンパイを入れたのは片山。ここはドラのが見えてないことも踏まえてか、ダマテンを選択。