鈴木たろうの肩にのしかかる何かが見えた12秒間 そして変わろうともがき続ける戦士たち【熱論!Mリーグ】担当記者:ZERO

しかしどの手もアガれなかった。

そして迎えたオーラスの親番。

14巡目、打たれた5枚目のにたまらずチーの声をかけ、形式テンパイにとった。

もう少し粘ってもいいような気がするし、鳴くのも悪くないと思う。

私が驚いたのは、選択の是非ではない。

萩原が形式テンパイに動いたという事実である。

さらにをチーして打。このチーはあまり良くないと思った。

形式テンパイからより安全に形式テンパイをとるためのチーだが、出ていく生牌であり、そこまで安全と言い切れないのが問題だ。を鳴かれて捌かれるかもしれないし、鳴いたことによって誰かのツモ番が増える。そして…

残ったを狙われることだってある。

ただ、この選択に対しても、私は非常に驚いたのだ。

あの萩原が、なりふり構わず、ただがむしゃらにテンパイを目指している。

これまでの萩原だったら、こんな泥臭い仕掛けは美学に反する、といって決してしなかっただろう。

 

萩原も、亜樹同様、変わろうともがき苦しんでいるのだ。

萩原は、SNSで自分の考えていることをほとんど語らない。

雷電の控室での様子も、最小限のものとなっている。

しかし、萩原はファンの声、アンチの声を確実に受け取っているはずだ。

ただ、語らないだけである。

たとえばその証拠に、開幕当初、萩原の強打やぐりぐり盲牌、そして最近ではリーチ後にツモ牌を手牌に付けるな、という非難の声があがった。

しかしそれもここのところは改善されている。

プロは語らない。

プロは牌で語る。そして結果で魅せる。

それが萩原のポリシーであり、美学なのだ。

そういう男が1人くらいいてもよいではないか。

瀬戸熊や黒沢とともに、そういうチームがあってもよいではないか。

リーチ攻勢が滑りまくっても、それでも上を見て手牌と向き合う。

自分を変えようと、ファンの声に応えようと、口を閉ざしたまま戦い続ける。

私はその萩原の姿を見て、プロ意識を感じるし、そして素直にカッコいいと感じた。

鈴木たろう+73.2

松本吉弘 +11.2

萩原聖人 -18.6

二階堂亜樹 -65.8

絶望の淵にいたドリブンズがとうとう7位になった。セミファイナルのボーダーである6位までは150ptちょっととなっており、本当に現実的なラインと言える。

2位から6位までは団子状態で、ここの5チームも猫の目のように毎日順位が変動するだろう。

セミファイナルへのゴールテープまで、あと20試合を切った。

 

オマケ①

本日は、小林剛瑞原明奈のダブル解説だった。

瑞原さんは最初緊張しているようだったけど、麻雀が始まるやいなや気持ちがほぐれたようで、流暢に喋っていた。あと単純に美しい。そして美しい。

3人だと2人と違い、喋らなくては!というような負担が軽減されるし、話題ややりとりも多岐に渡って面白い。ただ声が被ってしまう頻度も多くなるので難しいところだろう。

オマケ②

宣伝になって申し訳ないのですが、この観戦記がどうやって書かれているかを動画に収めてみました。

我々観戦記者の苦悩や考えていること、そしてムフフなお色気シーンも収録されています。良かったらご覧になってください。

また動画の感想や観戦記の感想なども遠慮なくコメントしてくださいね。

それではまた来週!

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