俺たちのゆーみんに届け!
魚谷侑未に送られた、
絶え間なき応援と愛情
文・東川亮【木曜担当ライター】2020年11月12日
11/12、大和証券Mリーグ。
筆者はこの日の試合を、東京・神田の「なんしゅう家」で開催されたセガサミーフェニックスファン主催のPPV(プライベートパブリックビューイング)で観戦した。
なんしゅう家はEX風林火山のチームスポンサーとなっているお店だが、麻雀を愛し、Mリーグを応援する人たちなら誰でもウェルカム、またファンの間でも非常に親しまれているお店だ。
参加者に応援チームを尋ねると、やはりフェニックスのファンが一番多いのだが、この日の対戦相手であるKADOKAWAサクラナイツやTEAM雷電のファンなどもおり、いわば「呉越同舟」という感じなのだが、ギスギスした感じはなく、食事や飲み物を楽しみながら試合を観戦している。
みなが麻雀を愛する仲間であり、その中でそれぞれのひいきチームを応援する。
シンプルに、非常に素敵な空間だと感じた。
第1試合は、一発逆転の倍満ツモを決めた和久津晶が、今シーズン初勝利。
オーラス、2着目の園田賢はロン牌を見逃してまでトップにこだわり、彼がツモるごとに、会場からは歓声とも悲鳴ともつかぬ声が上がった。
そしてアガリ牌が山から消えて和久津晶の初トップが決まったときには安堵の空気が流れ、そこにいる全員が和久津の勝利を祝福していた。
第2回戦に登場したのは、チームのエース、魚谷侑未。
「俺たちのゆーみん」の登場に、ファンの声は一層力強さを増したように感じた。
第2回戦
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
北家:沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局は2度の流局を経て、沢崎が300-500をツモ。
途中で卓トラブルもあり、東2局に入る時点ですでに30分以上が経過している。
東2局は親番の魚谷がテンパイ一番乗りとなる。
ただ、やへのくっつきを狙っていたところに4枚目の引きと、少々想定外の形だ。
「単騎でリーチ!」
ファンの声が飛ぶが、さすがにそれはやりすぎなのでは。
ここはいったん、を切ってドラを受け入れられる形の仮テン。
次巡、を引き入れて待ちに変化させてリーチ。
しかし、なんということか。
リーチ後、立て続けに、とツモ。
はリーチの寸前、沢崎にポンされている牌であり、ドラを狙って3メンチャンテンパイを取らなければツモっていたという、なんとも皮肉な結果に。
ただ最終的には、魚谷は黒沢からで2000点の出アガリ。
裏ドラがだったのを見て「ほら、単騎だったじゃん!」。
なんだこいつら、日本結果論協会員の集まりか・・・まあ、ファンとはえてしてそういうものである。
東3局、魚谷は前局に黒沢に3900を放銃し、少し持ち点を減らしている。
この局は村上が3巡目にドラターツから打ち。
対子3つでソーズ多めだがやなどの字牌が孤立していて形が悪いため、七対子やホンイツなどで高くするルートだけは残しつつ守備的に打つ選択だろう。
対する魚谷は8巡目でイーシャンテン。
とドラが対子で、が鳴ければアガリが近そうだ。
しかし、七対子進行となった村上からが出ない。
「早く打っちゃえよー!」という声が上がるが・・・
なんと村上は、を重ねてしまった。
恐らく、当初の苦しい形から普通にメンツ手に向かっていたら、早々に魚谷がを鳴いてアガリをものにしていただろう。