【目次】
麻雀における「流局」とは
麻雀の「流局(リュウキョク)」は、誰もアガらずに1局が終了することです。誰かがアガることで局は終了となりますが、誰もアガらずに海底(ハイテイ)を終えても流局となります。
流局の正式な呼称は「荒牌平局(こうはいへいきょく / ホワンパイピンチュー)」ですが、流局と呼ぶのが一般的です。「(局が)流れる」と表現することもあります。
局の最後のツモ牌を取ると流局
その局でツモれる最後の牌を「海底牌(ハイテイパイ)」と言います。海底牌を取り終えると、ツモれる牌がなくなるので流局となります。
※ツモ(自摸)=牌山から牌を1枚取ること
配牌(局の開始時に牌を各プレイヤーに配ること)の時に、14枚の王牌を残しておくのが麻雀の基本ルールです。王牌はツモることができないため、時計回りにツモっていくと、最後の牌山の最後の牌が「海底牌」になります。
※海底(ハイテイ)=局の最後に行われるツモ
ポン、チー、カンがなく進んだ場合、ツモの回数は以下になります。
■東家(親)と南家は18回
■西家と北家は17回
<南家>が18枚目の牌を捨てた時点で、<西家>がツモる牌が王牌になってしまうので、<西家>と<北家>はツモることが出来ません。この最後の捨て牌で誰もアガらなかった場合、その局は終了=流局となります。
海底牌は、嶺上牌(リンシャンパイ=カンの時に王牌から補充する牌)をツモったときに補充します(ルールによって異なります)。その場合、局の開始時の海底牌と変わるので注意しましょう。
嶺上牌は以下の記事で詳しく解説します。
途中流局となるケース
途中流局は、局の途中であっても流局となるルールです。所定の条件が満たされた場合、海底を待たずに流局となります。
※途中流局を一切採用していないルールや、一部の条件を採用していないルールもあるため、事前の確認が必要です。
途中流局として採用されるルールは、主に以下の5つです。
- 九種九牌(キュウシュキュウハイ)
最初に配牌時に数牌の1,9牌と字牌が9種類&9枚以上が手牌にある - 四風子連打(スーフォンツレンダ)
1巡目に全員が同一の風牌(東・南・西・北)を捨てる - 四開槓(スーカイカン)/四槓流れ(スーカンナガレ)
2人以上が合計4回のカンをする - 三家和(サンチャホー)
3人が同時にロンアガリを宣言する - 四家立直(スーチャリーチ)
4人全員がリーチをする
九種九牌(キュウシュキュウハイ)
九種九牌は、最初の配牌時に、数牌の1,9牌と字牌が9種類以上、かつ、それらの種類の牌が9枚以上手牌にあるときに宣言すると流局となるルールです。
親は配牌時、子は第1ツモの時点で九種九牌以上が成立していることが条件となります。他家が鳴くと九種九牌を宣言できません。
他家がダブルリーチした場合は、九種九牌が優先され、宣言すれば流局となります。
九種九牌の例(親)=么九牌が9種類&9枚
九種九牌が成立するケース/しないケース、配牌で来たときに国士無双を狙うべきかなど、詳しくは以下の記事で解説しています。
四風子連打(スーフォンツレンダ)
四風子連打は、1巡目に全員(4人)が同一の風牌(東・南・西・北)を連続して捨てると流局となるルールです。ダブルリーチ(1順目でリーチ)がかかっていても四風子連打が優先されます。
字牌の中では風牌が対象で、三元牌の白・發・中では四風子連打は成立しません。途中でチー・ポン・カンが入った場合は四風子連打が成立しないので注意してください。
四風子連打が成立する例
■1順目の捨て牌
東家:
南家:
西家:
北家:
↑北家が西を捨てた時点で四風子連打が成立し、流局となる。
3人目まで連続して西を打牌し、4人目の北家が西を持っていた場合、流局の判断は北家に委ねられる。
四風子連打とならない例
■1順目の捨て牌
東家:
南家:
西家:
北家:
↑三元牌が4連続で捨てられても四風子連打にならない。
四開槓(スーカイカン)/四槓流れ(スーカンナガレ)
「四開槓(スーカイカン)」は、2人以上でカンを合計4回した場合、途中流局となるルールです。他にも「四槓流れ(スーカンナガレ)」「四槓散了(スーカンサンラ)」といった呼び名があります。四開槓を採用しないルールもあるので、事前に確認しておきましょう。
「”2人以上”でカンを合計4回」が条件なので、3人でカンを合計4回、4人でカンを合計4回でも四開槓は成立します。4回目のカンで捨て牌がロンされなかった時点で四開槓となります。他家のカンをロン=槍槓(チャンカン)があった場合は、四開槓より優先されます。
1人で4回カンすることは可能です。1人でカンを4回をした場合は、四槓子(スーカンツ)という役満の条件が満たされます。4回目のカンの時点では途中流局となりませんが、「5回目のカンはできない」「5回目のカンが宣言された時点で流局」するなど、ルールによって異なります。
四槓子の成立条件や注意点は以下の記事で詳しく解説しています。
合計4回のカンで途中流局となるのには理由があります。カンの時に王牌から補充する牌=嶺上牌(リンシャンパイ)は4枚しかありません。4回カンをすると嶺上牌がなくなるため、5回目のカンでツモれなくなります。
四開槓で途中流局としない場合、5回目のカンを不可としたり、5回目以降のカンは裏ドラ表示牌を嶺上牌として使うといったルールもあります。四開槓を採用するケースが多いですが、事前にルールを確認しておきましょう。
嶺上牌の詳細は以下の記事をご参照ください。
三家和(サンチャホー)
3人が同時にロンを宣言した際の取り決めは、ルールによって異なります。
3人同時ロンアガリを認めないルールは三家和(サンチャホー)、3人同時アガリを認めるルールをトリプルロン(トリロン)と呼びます。
「頭ハネ」=「同時ロンアガリの際に、放銃した人から見て次にツモる人がアガれるルール」を採用している場合もあります。
3人同時ロン発生時のルールのパターン
- 三家和(途中流局)を採用
- トリプルロンを採用
- 頭ハネを採用(放銃者の下家をアガリとする)
3人同時ロンがあった場合、三家和を採用して途中流局とするルールが多いです。三家和で途中流局となった場合、親が流れるかどうかはルールによって異なるので事前に確認しておきましょう。
トリプルロンを認めるルールの場合はダブルロンも認めるケースが多いですが、トリプルロンは認めずダブルロンは認める場合もあるので、こちらも事前の確認が必要です。
四家立直(スーチャリーチ)
同局内で4人全員がリーチをかけた場合に途中流局とするルールを四家立直(スーチャリーチ)と呼びます。
4人目のリーチ宣言牌がロンされなかった場合、その時点で途中流局となります。4人目のリーチ宣言牌でロンがあった場合は四家立直になりません(ロンが優先される)。
四家立直を採用しない場合もあるため、こちらも事前の確認が必要です。四家立直で親が流れるかどうかもルールによって異なります。
四家立直で途中流局となった場合、全員が手牌を開けて確認します。ノーテンリーチ(テンパイしていないのにリーチをかける行為)が発覚するとチョンボとなります。