負けた試合でも見逃すな!!
要所にちりばめられた
”プチ”ゼウスの選択
文・渡邉浩史郎【金曜担当ライター】2022年2月4日
【第2試合】
東家:二階堂瑠美(EX風林火山)
南家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
北家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
2/3㈮、本日二戦目は……
伊達と瑞原、今期絶好調な二人のハネマン合戦を伊達が制した形となった。
その裏で厳しかったのはたろうと瑠美。半荘全体を通じて放銃回数1というところでお分かりいただけるだろう。
さて、普段なら伊達と瑞原のたたき合いをベースに観戦記を書くところだ。しかしこの半荘、個人的に目を引いたのは……
鈴木たろうだ。今日は連闘。二戦目は特に副露手の選択において、一見地味だが意志ある選択を数多くこなしていたように見える。
そんなゼウスの”プチ”選択集。早速見ていこう。
【ケース1】鳴いて聴牌
【東1局】
開局悪くない配牌をもらったたろう。ここはマックスのホンイツ役役まで見てピンズのペンチャン払い。
ドラが入ってこれでもOK。ここで切る牌は……
なんと。瑠美の、伊達の役牌からの、瑞原のドラそば切りにそれぞれ速度を感じたか。瞬間マンズの下二面子のリーチ構想にはせずに、安牌もどきのとを抱える選択とした。
を引いてイーシャンテンに。リーチになれば先ほど切ったが効いてきそうだ。
しかし四枚目のが瑞原から出て、さすがにチー。いくらマンズの下が安いとはいえ、もう一つの受け入れが一枚切れのと生牌のとあってはここは見逃せないところだろう。
他家のスピード感も考慮しての鋭い仕掛けであったがここは伊達の跳満に潰される
【ケース2】鳴きの待ち取り
【東2局1本場】
役牌二種が対子のたろう。だがどちらも一枚目が切られた後に重ねた牌で鳴けず。
マンズのホンイツ・トイトイ・ホンロウをベースに手を進めていく。
ポンから発進し……
立て続けにも鳴ける。これでホンイツのイーシャンテン。
、と引き入れての聴牌。待ち取りは……
切って、カン待ち。瞬間の待ちとしての強さはを切ってのカンのほうが強そうだが、そちらに取ってしまうとその後の変化がほぼ見込めない。
一方と取ることで引いての、引いての、引いてのシャンポン、ポンしてのノベタンとかなりその後の変化が多い形となる。
見事狙い通り。引き入れからのツモでマンガンのアガリとなった。
【ケース3】先制を受けての鳴き
【東4局1本場】
迎えたたろうの親番。ここで伊達に追いつきたいところだが……
ラス目瑞原から4巡目リーチが入る。
それを受けてのたろう……
この形からをチーして発進。
アガリ目一杯にはせずに打とした。