反撃のその時まで──
醍醐大は己を信じ、刃を研ぐ
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年11月6日
第二試合
東家:猿川真寿 (BEAST Japanext)
南家:醍醐大 (セガサミーフェニックス)
西家:滝沢和典 (渋谷ABEMAS)
北家:二階堂亜樹 (EX風林火山)
Mリーグ2023シーズン58試合目。
この試合に出場した醍醐と亜樹は今シーズン未だトップが無い2人だ。
序盤、今シーズン不調な2人がリードを築く。
東1局には醍醐が跳満をツモり、
東3局には亜樹が跳満をツモ。
東場とはいえ2人のどちらかが初トップを獲得できそうな展開となった。
東4局、親番となった亜樹は5,800点を松本から出アガり醍醐をやや離す。
そして迎えた東4局1本場。
この局の展開が結果として勝敗を決めることとなった。
醍醐の配牌。
ドラの北がトイツでターツも揃っている。好配牌と言えるだろう。
親番の亜樹と7,700点差なので、満貫をツモれば再び4,300点差をつけて逆転する。
4巡目、を引いてを固定する打を選択。
これでネックになりそうだったペンを解消できそうだ。
同巡、親番の亜樹がをトイツで落とし、他家に緊張が走る。
のような、3と7のトイツというのは良い待ちを手の中で作るにあたって非常に使い勝手が良い。他のトイツと比較して良い変化が多いからだ。
リャンメンに変化する牌が2種類あり、4・5・6のトイツと違い2と8が待ちになる強い部類のリャンメンを作ることができる。
そんな強いトイツが必要無いということは、既に手の中のターツ候補は決まっており、打点と好形が狙える状態と読める。
実際、亜樹の手はこうだった。
、・のイーシャンテン。
ポンしてリャンメンのテンパイを入れることもできるし、ドラが1枚あるので面前で仕上がれば満貫クラスの手になる。
をトイツ落としした時、実際には1枚目のを空切りして
次巡を引き、入れ替える形で2枚目のを切った。
をツモ切ることもできたので、亜樹はあえてのトイツ落としを見せたことになる。親番なので他家にプレッシャーをかける作戦だ。
この作戦は亜樹の思惑通り、他家の進行に影響をもたらしている。
松本はこのトイツ落としを見て、ペン3sを払うも
・は残して先にを処理する。
はをトイツ落とししている亜樹には比較的安全な牌。
スリムに構えつつ一通か789の三色になったときにだけ前にでる算段だ。
そして醍醐の手牌。
ドラのが暗刻に!
亜樹の手にも劣らない、文句なしの勝負手になる。
次巡、猿川がをツモ切り
そのに目をやりながら…
を引く。
醍醐の選択は