卓上で仁王立ち
爆速試合で魅せた
阿修羅の多井隆晴
文・担当記者 ZERO / 沖中祐也【木曜臨時ライター】2024年4月18日
「今シーズンで一番気合が入っている」
そう語る多井だが、この半荘通じて、画面越しにも勝ちたいという気持ちがヒシヒシと伝わってきた。
ABEMASは、折り返し地点を目の前にしてファイナル進出へ黄信号が灯っている。
「前年度のチャンピオンチームは勝てない」
呪いとも言えるジンクスは未だに存在している。
5年連続ファイナルに進出したABEMASとて例外ではないのか。
振り返ると、そもそもABEMASがボーダー下でここまで苦しむシーズンですら、6年目にして全く記憶がない。
「これで負けたら全ては自分の責任」
悲壮な決意を胸に、多井が卓へと向かう。
第1試合
西家:岡田紗佳
KADOKAWAサクラナイツ
3位 +167.9pt
岡田の成長意欲
東1局、ファーストテンパイは岡田だった。
カンのリーチ赤1。
リーチを打つか。打たないなら何を切るか。
岡田は…
を切った。
のくっつきと、ツモでのイッツー、そしてツモってのフリテン3面張を見据えた一打である。
ただ岡田の中で、本当にこれで良いのか… という思いがあったという。
イッツーになれば嬉しいは嬉しいが、所詮愚形かフリテン。
微妙な変化を待つよりは、そのままリーチを打った方が優位なのでは? とを打ちながら感じたというのだ。
私はこの疑問に思ったことに対して、まだまだ成長への意欲は枯れていないことを感じた。
なぜなら
アガったからである。
それも残したにがくっついての待ち。
結果的にめちゃくちゃうまくいったのだ。
ただ、結果最高=最適打牌とならないのが麻雀である。
めちゃくちゃうまくいった選択に対しても、本当にあれで良かったのかと自問自答する姿を見て、これからもどんどん強くなりそうだと感じたというわけ。
では実際のところ、打の判断はどうだったのか。
あくまでも個人的な見解ではあるものの、やはりリーチが良いと思う。
打としてテンパイを外したとして嬉しい変化がの4種類。
この4種類の牌を引くまでに平均で7巡以上かかる上に、ツモやはそこまで嬉しいとは言えず、変化の量と質が微妙に足らない。さっさとリーチを打ったほうが優位と見る。