醍醐大が止めた、
そして切り拓かれた未来
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年1月20日
第2試合
東家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
南家:鈴木大介(BEASTX)
西家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
「裏目がある選択なので、長い目で見たら外した方が良いんじゃないかと思うんですけど、この1回でそれが上手くいくかわかんなかったんで…ホッとしました」
試合後の勝利者インタビューで、醍醐はオーラスの選択について語っていた。
この試合、先にリードを築いたのは大介だった。
東2局の親番で大量加点に成功し、54,600点で南場を迎える。
大介のトップはほぼ決まりかと思われたが
南1局、醍醐が大連荘で大介を逆転する。
大介も負けじとアガリを成就させ、微差でト大介ップのままオーラスに突入する。
醍醐は2着目ではあるが、その差はわずか2,600点。
700-1,300点以上のツモか、3,900点の出アガリでトップだ。
醍醐の手はかなりまとまっている。
ドラも1枚あるので、アガれば自動的にトップになりそうだが
トップ目の大介が仕掛けを入れる。
1巡目に切られた2枚目のをポンする。
大介は形こそ苦しいものの、醍醐の条件が無いようなものなので、黙って見ているわけにもいかない。
自風のかチャンタでのアガリを目指す。
次巡、ペンが埋まり
その3巡後にはなんとペンが埋まる。
一番厳しいと思われていた大介が、でのみアガれる形ではあるがテンパイ一番乗りを果たす。
は山に1枚だが、優・醍醐は引けばツモ切る牌。
山に浅く、大介があっさりと勝ちを拾う。そんな未来もあり得たのかもしれない。
しかし大介の次巡のツモは、アガることのできない。
はツモ切ることしかできず、これで大介は他家からロンはできない。
西が出たらポンして単騎に受け、・を引いたらの後付けでのアガリを狙うしかない。
そこに、親番の白鳥からリーチが入る。
カン待ちのリーチ。
白鳥は大介まで17,100点差なので、満貫をツモればほぼ並びとなる。
直後、大介のツモは。
待望のフリテンを解消できる待ち変化。
白鳥がを切っているので、筋のを勝負し単騎に受ける。
白鳥のカン、大介の単騎ともに山に2枚ずつ残っていたが…
次巡、白鳥がを切り
直後、イーシャンテンの醍醐がを引く。
実況席の2人が、息をのんだ。
先述の通り、醍醐の手は逆転の条件を満たしたイーシャンテンで、が通る前であればオリる選択肢も考えられるが、が通り、先にを切っているのでカンも出てこず、が2枚見ているのでシャンポン待ちの可能性も低いため、白鳥に対しては限りなく通りそうに見える。
BEASTの勝利が決まったかと思われた。