BEAST Xはまだ負けていない
猿川真寿、希望をつないだモンキーマジック
文・東川亮【木曜代打ライター】2025年3月日
大和証券Mリーグ2024-25レギュラーシーズンは、いよいよ大詰めを迎えつつある。

セミファイナル進出争いは、6位につける渋谷ABEMASがやや優位な位置にいるも、KADOKAWAサクラナイツとEX風林火山も逆転の可能性は十分に残されている、という構図。
BEAST Xは、シーズンの途中からずっと「蚊帳の外」だった。
一時はマイナス1000ポイントまで負けが込み、浮上もままならない。敗退をほぼ規定事項と捉えている人も多いだろうし、包み隠さず言えば、筆者もその一人であることを否定はしない。

ただ、BEASTは決してなすすべなく敗退へと向かっているわけではない。2月13日時点と比べ、ボーダーとの差はおよそ300ポイント詰まった。
もちろん、このままのペースでは足りない。けれども、諦めることは許されない。応援してくれる人がいる限り、最後まで全力を尽くして上を目指すのが、戦う者の責務だ。

なあ、そうだろう、リーダー。

第1試合
東2局1本場。

猿川はたろうのポン出しドラに手を止める。鳴けばタンヤオの2シャンテンで、その後も仕掛けてはいけるが、アガリまではまだ遠く、打点も現状2900。そもそもアガリに近づいているのかも分からない。

スルーして次のツモに手を伸ばすと、引き入れたのは5トイツ目となる。これでチートイツを濃く見た進行となる

テンパイだ。
感触良しとして残していたが重なったが、さて
と
、どちらを切るか。
ならたろうに放銃だが・・・

猿川の選択は切りリーチ。
はドラそばで全く不明だが、少しでも安全な牌を最終打牌に選んだ。親がリーチをすれば、相手が危ない牌をつかんだときにオリてくれることも期待できる。

たろうは宣言牌のスジでテンパイを崩した。きな臭さを感じてのことだと思うが、そう思わせるが親リーチの効力。

流局連荘でも恩の字、しかしアガれるならそれに越したことはない。
4000は4100オールのツモアガリで、見事にトップ目へと浮上。

猿川は、東3局もリャンメン待ちで先制リーチをかけた。ドラ赤でツモれば満貫、大きな加点になる。

しかし、そこに立ちはだかったのが親番の亜樹。リーチの直後にテンパイし、猿川のスジのを切って受けが狭いながらもテンパイを取ると、

ドラも叩き切り、

リャンメンでのツモアガリは逃すも、高目のをツモって4000オール。風林火山もトップがほしい戦いであることに変わりはない。

そして、結果は地味ながらも紹介したいのが、東3局2本場。
この局、たろうが3巡目にをポン。解説の忍田幸夫はマンズのホンイツを予想していたが・・・

たろうの選択は打。
ここから役牌を重ねるか、タンヤオに向かうかという進行だが、あまりにも遠い仕掛けだ。

猿川もドラをポンして、こちらは東の後付け狙い。

たろうは3副露して、なお1シャンテン。ただ、相手からすればさすがに異様だ。


を切っているたろうがタンヤオでなければ、役牌候補は
と西のみ。