情熱と冷静の間 湖面に佇む白鳥が大空を舞った夜【Mリーグ2020観戦記12/1】担当記者:ZERO

これを止めるのは見た目以上に凄い。

まずは通しやすいこと。

次に好調を感じる親番だということ。

麻雀は自分の思うがままに進むと、全能感に包まれる時がある。

全能感の中でこのは落とし穴だ。私なら十中八九放銃している。

いきすぎずオリすぎず、湖面に佇む一羽の白鳥のように、白鳥の心は穏やかだった。

なぁにが湖面に佇む白鳥じゃ!眠たいこと言っとらずに、はよ放銃しろやボケ!

白鳥はを止めてイーシャンテンにこぎつけたものの、流局した。

東4局2本場、またしても堀が先制リーチを打つ。

タンキのチートイツ

実況「堀選手は良しと思ってのリーチ?」
滝沢「もちろんそうですね。全員が持っていなさそうに見えているはずです」

いい待ちっていうのもあるけど、この局面ではリーチって言うことが大事なのよ。
親番は周りを降ろしてナンボじゃい!

一人旅になるかと思いきや、盟友白鳥が追いつく。↓

今ツモった待ちのテンパイ。
を切ってリーチだ。

これも一見普通に見えるが、見た目以上に行きづらいはずだ。

・対面の丸山がマンズに染めていて、あまり良い待ちとは言えない。

・点棒状況的に親の堀に立ち向かうメリットが小さい。

しかし供託が2本あることや、堀が愚形の可能性もそこそこあることを考えるとリーチで良いと思う。

凄いのは、ついさっき中筋のを止めた男が親リーにリーのみで立ち向かっているところだ。

白鳥は情熱と冷静をうまくコントロールできている。

この情熱リーチがまさかの

3000・6000になる!をアンカンしてリンシャンでツモ!

リンシャンとは嶺上と書き、山の上のことだ。
湖面の白鳥は大空を舞い、山の上に飛び立ったのだ!

南1局は堀が3000・6000。↓

続く南2局も2000・4000と連続でツモアガる。

ラス前(南3局)を迎えて点棒状況はこうなった。↓

親が落ちた瑞原も11100点差なのでトップは現実的、堀もラス親なので十分圏内だろう。

しかし、山上の白鳥は、ここから1人ずつ絶望の淵へと追いやっていった。

まずはチンイツをツモ。↓

この4000オールで瑞原を突き放した。
続く南3局1本場、白鳥の配牌がこちら。

マンズが11枚!

「慎重に決める」
八崎慎吾のセリフが白鳥の脳内を巡ったに違いない。
なぜなら白鳥はここから…

を切ったのだ!
を重ねてのホンイツは捨てて、少しでもチンイツの成就率を高める選択だ。

すぐにでたをチーして打。↓

このときに白鳥のようにとならんでいるのと、と並んでいるのとでは印象が大きく変わってくる。
ならタンヤオなど通常の手牌の可能性が高く、染め手が警戒されづらい。

実際に

もすぐ鳴けた。
と並んでいたら鳴けていなかっただろう。

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