これは当たらないんだよ…
白鳥翔、役満の幻影を
理で振り払う暗刻落とし
文・東川亮【月曜担当ライター】2021年1月11日
麻雀では自らの手組みだけでなく、他者の手を推察することも非常に大切だ。
相手の手が見えない中で、自身から見える情報を元に推理を働かせ、押し引きを決めていく。
見えないだけに他者の手に幻影を見てしまうこともよくあるが、目の前の情報を的確に精査すれば、真実も見えてくる。
そしてそれができるのが、強者の条件と言えるだろう。
第1回戦
西家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
東2局。
前局12000をアガった勝又が、ここはカン待ちで即リーチを打った。
待ちはよくないが勝又は親番、子方3人からすると戦いにくいリーチではある。
萩原・岡田が受け気味な中、形が良かった白鳥が待ちテンパイ。
現物待ちではあるが、追っかけリーチをかけた。
オリ気味の二人が勝又の現物を打っておらず、山にいると読めばツモや直撃も狙える。
勝ったのは白鳥。
勝又の掴んだを捉えると、裏ドラが2枚乗って8000点となった。
次局、白鳥は2巡目のポンから仕掛けた。
1巡目にを切っているということでトイトイなどがかなり読まれる形だが、スピードで圧倒してしまおうということだ。
まわりからしても、この巡目で全てを止める訳にもいかない。
4巡目にはをポンして役をつけ、ポンから最後は待ちでトイトイになるを引き入れて、1300-2600となかなかの打点に仕上げた。
東4局1本場、冒頭の前振りはこの局につながる。
岡田の手牌が興味深い。
とトイツ、他にも一九字牌が多数。
役牌を絡めてのホンイツやチャンタ、果ては役満・字一色や小四喜など、いろいろな夢が見られる形だ。
岡田は1枚目のはスルーするも、、2枚目の、さらにはと立て続けにポン。
威圧感のある仕掛けだ。
これだけでも高打点は約束されたようなものだが、岡田はにくっついたをツモ切り。
2巡後にはを引いてを切り、ターツを崩してまで役満へと向かった。
https://twitter.com/sayaka_okada219/status/1348657285808066560
しかし岡田がほしかったは白鳥に暗刻。
とは言え白鳥も3副露の岡田に対してスピードで劣っていることは否めない。
引き後、白鳥は少考の後・・・
なんと暗刻のを切った!
ロンと言われれば字一色で32000、さらに小四喜まで絡めば64000とまで言われる可能性の牌だ。
手に留めておけば少なくとも役満放銃はないが、なぜを切ったのか。