そこから無スジ、生牌とノータイムで打ち抜き、テンパイを取りきった!
仮に打のところでを押してテンパイを取ったとしても、その後危険牌を掴まされたらテンパイすら危うくなる。
それなら仕掛けも使える形でより安全かつ確実にテンパイだけでも取ろう、ということか。
決死の思いでつないだ親番。
でもやっぱりピーンチ!
勝又と朝倉の手が早そうだ。
しかし早くも内川がをポン!
4トイツで全て字牌か端のほうの牌ということで、鳴きやすいと踏んだか。
少し様子を見たくなる気もしなくはないが、ここは躊躇なしだ!
さらにと立て続けにポン、あっという間にテンパイを入れる。
しかし追っ手も黙っちゃいない。
勝又がチーでテンパイ。
そこで朝倉も赤を切ってテンパイ!
字牌とソーズを合計3つ鳴いている内川にキツい牌を通した。
さすがに内川の親番もここまでか・・・。
そうはさせじ!
すぐにをツモ、2人の追撃をはね除ける700は900オールのアガリで、微差ながらも2着目に浮上した。
「バタフライ・エフェクト」。
「南半球のチョウの羽ばたきが北半球で竜巻をも巻き起こす可能性がある」というたとえに基づく、ほんの些細な出来事が大きな事象の引き金となり得ることを意味する言葉だ。
大きな点数の動きはないものの、粘りで何とかつないだ親番。
その中で内川が起こした小さな風は、後の展開を大きく動かすバタフライ・エフェクトとなった。
東4局3本場・・・。
風、キター!!
解説の土田浩翔曰く「風速10m近く」。
この手をもらった「手順マエストロ」がアガリを取り逃すなんてことがあるのか?
バカなことをいっちゃあいけない。
ほら見ろ、手牌が急速に整う引き!
そしてリーチ!
吹きすさぶ風は風林火山に逆風となった。
勝又が一発でドラを引かされてスジで捕まり、で放銃。
12000は12900、内川にとっては混戦を抜け出す大きな一撃だ。
風はさらに強くなる。
淡い桜の色を帯びて。
リーチをかけた内川の一人テンパイで迎えた東4局5本場、内川の配牌はお世辞にもいいとは言えない。
だが知っているか、今は風が吹いているんだ。
あっという間に一気通貫と三色両にらみの手に早変わり。
何かもうツモの勢いが違う。